テクノロジー

2020.02.08 08:00

スペースXの「衛星インターネット部門」がIPOの可能性

Photo by Joe Raedle/Getty Images

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スペースXのプレジデント兼COOのグウィン・ショットウェルは、投資家グループに対し、同社の衛星インターネット部門の「スターリンク」をスピンアウトさせ、IPOに踏み切る可能性について話した。

2月7日のブルームバーグによると、ショットウェルは「スターリンクのビジネスは、上場を検討するにふさわしいものと考える」と発言したという。

イーロン・マスクが2002年に設立したスペースXは、累計36億ドルを調達し、企業価値は334億ドル(約3.7兆円)に達したとされている。同社は過去10年の間で、競合よりも低コストで複数回の衛星打ち上げを行い、民間企業として初めて国際宇宙ステーションに貨物を運ぶ企業になろうとしている。スペースXのロケットは、第1弾目が再利用可能な点も注目されている。

EVメーカーのテスラは自動車業界に大変革をもたらしたが、スペースXのスターリンクはそれと同様に、インターネット業界に巨大な前進をもたらすかもしれない。スペースXは地球低軌道(LEO)に送り込んだ1万2000基の小型衛星による衛星コンステレーション(衛星の群れ)を用い、高速インターネット回線網を構築することを目指している。

顧客として想定されるのは、既存のISP事業者に加え、従来のインターネット回線にアクセス不可能な新興国や遠隔地の顧客らだ。スペースXは既に競合を大きく上回る、240基のスターリンク衛星を打ち上げており、年内に約1500基まで増やす計画だ。

スターリンクのIPOに向けてのスケジュールは明かされていない。また、スペースX本体が上場を行うのはずっと先のことになりそうだ。イーロン・マスクは以前に、スペースXがIPOを実施するのは、定期的に火星への打ち上げを実施するようになってからだと述べていた。

衛星インターネット分野でスターリンクの競合となる企業としてはアマゾンや、ソフトバンクが支援するOneWebなどがあげられる。OneWebは2月6日に34基の衛星を打ち上げ、来年からオペレーションを本格始動させる計画だ。
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編集=上田裕資

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