国網杭州供電公司は、湘湖トンネル内に5G通信環境を整備し、管理の遠隔化を進めている。同トンネル内では、パトロールロボットがケーブルの周辺部や設備などを点検するのだが、人間の作業員は5G通信環境を利用して転送された動画をVRで確認しながら、各ロボットの作業を制御している。
これまでケーブルの状態を確認するためには断面を切断したりする必要があるなど、人間がコストや時間をかけて目視でひとつひとつ現場を見守る必要があった。また、トンネル内のケーブル点検で得られる情報量はとても多く、アナログ作業では故障時などに即時に対応することが難しかったという。しかし、この問題を5Gや関連ソリューションが解決してくれたというのが、メディア取材に答えた関係者の説明だ。
現在では、ロボットから送られた通常の撮影映像と赤外線映像を駆使することで、遠隔地においてもリアルタイムで状況を把握・対応することができるようになったという。作業時間はおよそ60%短縮することに成功しており、緊急時の対応パフォーマンスも大きく向上していると報告されている。
世界各国ではロボットやカメラを通じて得られた映像を解析する、さまざまなタイプの人工知能(AI)も同時に開発されている。日本ではKDDIが、カメラから5G転送された高精細映像をAIで解析するソリューションを、2020年3月の5G商用化に合わせ提供開始するとしている。
今後、固定カメラだけでなく、動き回るロボットやドローンなど、さまざまなハードウェアから得られた高精細かつ大きな映像データをAIがリアルタイムで解析し、その情報に基づいてさらに人間の作業員がロボットを使って現場を管理するというタイプのソリューションが確実に増えて行く気配である。
5Gは人間とロボット・機械の協業や現場の作業をどう発展させていくのか。商用化を目前に控えた現在、注目すべきテーマのひとつなりそうだ。
連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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