会場では、パワフルなコレクターのツーショットに遭遇した。台湾大手の王道銀行(O-Bank)頭取の駱錦明と、仏壇の「はせがわ」の元会長で相談役の長谷川裕一だ。
小松作品の前で、王道銀行の駱錦明と長谷川裕一のツーショットを見かけた。
駱錦明は「彼女の作品には爆発力があり、彼女は真実と創造を結びつける力を持っていると思います。私は彼女の新作を常にフォローしていますよ。当行のロビーに200号の大きな作品を飾っていますが、人気なのでいつも作品を手に入れるのは順番待ちです」と笑う。王道銀行の顧客向けのカードのデザインに小松作品を採用し、多くの顧客から良い反応を得たという。
「最初に紹介してくれたのは、こちらの長谷川さんです」と駱は、話をバトンタッチした。長谷川は「私はまず美羽さんの人柄に惚れました。人間というのは欲望への摩擦がありますが、彼女の場合は内面に濁りがありません。よって作品もピュアで素直に見られます。ライブペインティングも、パフォーマンスではなく本来の姿だと思います。そして彼女が描いているのは、極楽の世界なのです」と持論を展開した。
2日目、台北話題のエリアで「公開現場創作」
そして2日目。個展の開幕前には、台北で最も賑わっているという話題のエリア・信義のパブリックスペースで、日本人アーティストとして初めて「公開現場創作」として、公開ライブペインティングが行われた。今回の屋外での開催は、小松側と台北市政府観光伝播局との共催で実現することになった。
開始前から会場を埋め尽くす大勢の人たち
曇り模様だったが、多くの人々が会場の広場を埋め尽くした。現場の両側に建つショッピングセンターの2階の歩道スペースから見下ろす人たちも多く見られた。台湾で屋外のライブペインティングは初めて。翌日の台湾メディアでは、2年ぶりの個展開催を歓迎して、「小松美羽旋風再起」といった見出しが踊った。
金箔のキャンバスはあっという間に、さまざまな色が混じり合い、エネルギッシュだ。
真剣な面持ちでライブパフォーマンスを見守る台湾の観客。若者の姿も多く見られた。
小松は描き終わった後、観客に向かって合掌して礼をした。
完成した作品とともに記念撮影に応じる小松美羽。