この施策では、「思わず食べたくなるようなテレビCM作品をつくろう」ということは、まったく考えられていない。チートスのような、すでによく知られた商品では、いまさら「おいしそう」とか「食べてみたくなる」という情報を発信するCM作品をつくって流すことの効果は期待できない。
一見、そういったこととは無関係な、だが、「チートスに興味を持つ」ような仕掛けや仕組みを考案するほうが、効果(売上げ)につながる可能性がずっと高いと考え得るのだ。
個別報連相ミーティングタイムを設ける
この「チートス・ミュージアム」の事例から得られるヒントは、あなた自身のコミュニケーションに活かせる。
何度も繰り返し部下やチームメンバーや家族に伝えていることは、彼ら彼女らにとっては「聞き飽きた」メッセージだ。いくら強調されても、朝礼のスピーチで工夫に満ちた話をされても、毎日口が酸っぱくなるまで言われ続けても、「そんなことは分かっている」のだ。
であれば、報連相(報告、連絡、相談)が少ないと感じた時には、「個別報連相ミーティングタイム」といった時間を、週に一度は設けてみる(それもお茶にお菓子でも用意してリラックスした雰囲気づくりをしながら)のはどうだろう。
夫が育児に積極的でないとしたら、「今週のお世話ポイント」を赤ちゃん本人から渡すペーパーをつくってみるといった「仕掛け」も、考えられるかもしれない。
いずれにしろ、「どう伝えようか?」とは考えずに、「相手が思わず乗ってしまいそうな仕掛けはないか?」と考えてみることから、効果的な施策は始まる。
連載:先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま
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