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2020.01.15 12:00

Allbirdsがいま、日本市場に参入したワケ──オープン日の売上は過去1位を記録

Allbirds共同創業者のジョーイ・ズウィリンガー

Allbirds共同創業者のジョーイ・ズウィリンガー

「World’s Most Comfortable Shoes(世界一快適なシューズ)」──米タイム誌がそう評価し、俳優であり環境活動家のレオナルド・ディカプリオが投資する。

いま、世界中で注目を集めているシューズブランドが「Allbirds(オールバーズ)」だ。同ブランドは元サッカーニュージーランド代表のティム・ブラウンとバイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンガーが共同で2016年に立ち上げた。

立ち上げから2年で売上は100万足を記録。現在はアメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、イギリス、中国で合計14店舗を展開しているAllbirdsが、ついに日本にも上陸する。1月10日、Allbirdsは1号店を東京・原宿にオープンした。

シリコンバレーで人気に火がついた、世界一快適なシューズ

Allbirdsが提供するシューズの特徴は快適な履き心地と、環境に配慮したサスティナブルなモノづくりにある。同ブランドのシューズは、長年スニーカーを愛用してきたティムが、大きなロゴや目立つ色、そしてケミカル(化学的)な素材を使用した従来のスニーカーのあり方に疑問を持ったことが誕生の起点となっている。

快適性とサステイナビリティ、そしてデザイン性を兼ね備えたシューズをつくろう──そんな思いのもと、最高級のメリノウールを使用し、シューレースに再生ポリエステル、インソールには石油ではなくヒマシ油を使用し、最初に作り上げたのが今やAllbirdsの代名詞となっている「Wool Runners(ウールランナー)」だ。



今までになかったシューズの登場に、いち早く注目したのがシリコンバレーのテック業界の人たち。グーグル共同創業者のラリー・ペイジやベンチャー投資家のベン・ホロウィッツ、ツイッター前CEOのディック・コストロが履いていることから口コミが広がっていき、一躍、シリコンバレーで話題に。その後、セレブ、政治家にも人気が広まり、バラク・オバマ前アメリカ大統領も履いているという。

2016年当時、「Wool Runners(ウールランナー)」しか商品シリーズがなかったが、現在はユーカリの木の繊維でつくられたメッシュ構造の「Tree(ツリー)」シリーズや、サトウキビ由来でカーボンネガティブなGreen EVA素材を靴底に採用した「Wool Runner-up(ウールランナーアップ)」など、5シリーズにまでラインナップを広げている。

立ち上げから、約4年。なぜ、このタイミングでAllbirdsは日本市場への参入を決めたのか。今回、Forbes JAPAN編集部はオープンに際し、来日していた共同創業者のジョーイ・ズウィリンガーに話を聞いた。

「いつかは日本に」と創業時から考えていた

──ついに日本に上陸されました。なぜ、このタイミングで日本市場に参入することにしたのでしょうか?

実は創業時から、日本進出については考えていました。「いずれは日本に進出したい」と常々思っていましたが、日本市場はそんな簡単ではない。日本の文化、デザイン性はすごく先進的です。そこに対して敬意を持っているからこそ、簡単に進出してはいけないな、と思っていたんです。

一番最初に販売し始めた「Wool Runners(ウールランナー)」も、実は2016年3月のローンチから30回ほど細かくデザインを変えています。ずっと微調整を重ねていき、ようやく製品の製造、クオリティに自信を持つことができるようになったので、日本市場への進出を決めました。少し時間がかかってしまいましたが、日本にも展開できて嬉しいです。
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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