バイスプレジデントのジムさんは、自らもスタートアップを体験し、しかも幸運なことに成功側の10%に入った経験を持つ人物だ。彼には、より多くのスタートアップを成功に導き、より多くの技術者によりよい環境を提供したいという強い意志を感じた。
シアトル市内にある人工滝のある公園「UPS Waterfall Garden Park」。国際輸送サービスの世界的企業UPS社創業の地であり、ちなみに設計は日系デザイナー木下正夫氏による。日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」で出川哲朗が訪問した。
日本にもスタートアップ支援の仕組みは数多く存在し、様々な機会が設けられてはいるが、この様なNPOが多くの成果を出しているというのは聞き及んだことがない。また、このように地元密着型の、地方に多くの機会をもたらすNPOが活躍の場を得ているということも、非常にうらやましく思った。
筆者にとってはこういった団体が存在し成功していることが新たな発見だっただけでなく、地元ワシントン州を愛する彼らの、また地元シアトルで多くの企業が成功し、マイクロソフトやアマゾンのように大きく羽ばたくことを願う彼らの情熱からは大きなエネルギーをもらった。
「シアトル愛」が醸成するエコシステム
今回の旅で強く感じたのは「シアトル愛」だった。地元を愛し、そこで大きく羽ばたき、そして多大な影響を与えたマイクロソフトの創業者、ゲイツとアレンを筆頭にApptentive(第4回)のCEOはシアトルの皆が持つ「Love」の気持ちを広げていきたいと願い、起業し、そしてシアトルを愛する起業支援団体がそのサポートをする。ここに、「シアトル愛」という大きなつながりで構成されたエコシステムが存在しているのだと考えた。
全米一小さな国立公園として有名な屋内公園「Klondike Gold Rush」。中にはゴールドラッシュ時代の遺品や当時の風景などが展示されている。
たかだか人口70万の地方都市でこれだけのことが出来るのだ。まだまだ日本にも地方創生の可能性が残されている。多くの企業や団体が地元の発展に貢献することができる、そんな可能性を今回は垣間見た気がする。
企業の成長を支援し、次の世代を育てていくことを改めて強く誓った旅となった。