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「Her lip to」のブランドオーナー 小嶋陽菜

2000年代後半に誕生し、10年代には宣伝チャネルの1つとしてマーケティング領域を中心に広まっていった「インフルエンサー」という職業は、今や世間に影響を与える人物を表現する用語として、すっかり市民権を得た。

新しい概念の醸成とともに、インフルエンサーの「キャリア」もまた、新しい展開を迎えようとしている。元AKB48の小嶋陽菜は、自分のインフルエンス力の価値と使い方をよくわかっており、その代表例と言えるだろう。AKB48を卒業後、2018年夏に「Her lip to」を設立。アパレルブランドのオーナーとしてキャリアを積むとともに、同ブランドは日本のみならず、中国でも着実にファンを集めている。

そんな小嶋陽菜氏を特別ゲストに迎えたトークセッションが、ECプラットフォーム・BASEが主催するイベント「BASE OWNERS DAY」で開催された。2020年を迎え、「インフルエンサー」はどのように変化していくのか。小嶋陽菜がイベントで語った内容は、今後のインフルエンサーのキャリアに示唆を与えてくれるものだった。



欲しかったのは「自分の好きなもの」を言える場所

小嶋陽菜(以下、小嶋):「Her lip to」の立ち上げを考えたのはAKB48を卒業した頃のことです。アイドルとしてやれることをすべてやりきったと感じていて、次に何をしようかと考えていたタイミングでした。そのとき、自分がメディアに「出る」のではなく、自分自身がメディアとなり、自分の好きなものを発信する立場になりたいなと感じたんです。

最初は「こんなファッションやコスメがおすすめ」といったキュレーションサイトのようなものを立ち上げるイメージでした。その中で自分で作った服を数点販売できたらと思い、製作を始めたことがきっかけです。

鶴岡裕太(以下、鶴岡):あくまで「Her lip to」はメディアとしての機能の一部だったんですね。そこからどんどんとブランドのファンを拡大させているわけですが、商品のデザインやブランドの方向性など、どんなことに留意して運営しているのですか?

小嶋:一番気をつけているのは「自分のやりたいことをアウトプットできる環境を作り続ける」こと。私は何でもリサーチすることが好きなので、トレンドやSNS受けが何かがわかってしまう分、それに影響されそうにもなるのですが、私がやるからには「トレンドよりも私が好きなもの」を極めなければ意味がないし、そこにファンの方は共感してくれているのかなと思います。

大きなブランドではないので、本当に着たいと思えるものを、自分たちが納得できるモノづくりをしていきたい。自分の声が届く範囲なので、少ない型数になってしまいますが、自分の心の声を聞き、私にしかできない表現を突き詰めることを大切にしています。

文=半蔵門太郎 写真=まついあやね

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