シャオミがAIなどに「7700億円投資」表明 前戦略の5倍規模

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2019年12月、中国IT大手・シャオミはSIMフリースマートフォン「Mi Note 10」を引き下げ、日本市場への本格参入を果たした。

同社を率いる雷軍CEOは1月2日、自社スタッフに向けた手紙のなかでインパクトの大きいメッセージを送ったという。その内容とは、今後5年間でAI、5G、IoT分野に、合計で500億元(約7750億円)以上を投資するというものだ。

今回の投資計画で提示された金額は、2019年にAIおよびIoT分野に5年で100億元(約1550億円)を投資するとした「All in AIoT戦略」の5倍におよぶ金額となる。

雷軍CEOは、人工知能とIoT分野における自社の優位性をさらに進め、絶対的な勝利者しての地位を確立することが必要と強調。また、シャオミTVの販売台数が中国国内で1000万台を突破したことや、フォーチュンのグローバル・トップ500企業にランクインしたことを称賛したと現地メディアによって報じられている。

一方、同じタイミングにオンラインコミュニティ「reddit」上では、シャオミのIoT製品の脆弱性が問題として取りざたされたとして話題となった。

あるユーザーが報告したところによると、グーグル・ホーム・ハブ(日本ではグーグル・ネスト・ハブ)上でシャオミ製のカメラ(Xiaomi mijia 1080P Smart IP Camera)を連動させた結果、他人の家の内部が見えてしまったというのだ。証拠としてアップされた資料には、部屋や階段、玄関など他の人の家の中ところどころ、また寝ている子供などの姿が映し出されていた。

グーグル側はこの問題を把握した後、一時、すべてのシャオミの端末をグーグル・ホーム・ハブから遮断。シャオミ側とともに問題解決に望んでいるが、プライバシー保護の観点から、グーグルとシャオミのカメラストリーミング映像の連動をしばし中断すると発表している。

なおこの問題に対しシャオミの関係者は、調査の結果、12月26日のアップデートが原因と説明した上で、極度に劣悪なネットワーク環境でのみ問題が発生すると釈明している。

関連端末やネットワーク環境、また人工知能に多額の投資をするとしたシャオミだが、日本を含むグローバル市場において、最もセンシティブなプライバシー問題にまでしっかり対応できるか、ユーザーからは厳しい批判の目がしばらく注がれそうである。

連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河鐘基

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