──世界的に展開していくためには、御社の事業の特徴である「人が直接教えること」は拡大のボトルネックにもなるのではないかと思うのですが、その点いかがお考えでしょうか?
結局、人は最終的に勉強をさぼってしまう生き物です。そこをサポートできるのは、今のところ人間しかいません。教育の本質、先生と呼ばれる人がやるべきことは、「勉強を楽しくして、内発的なモチベーションを高める」ことだと思います。
では、どうやったら勉強が楽しくなるかというと、好きな先生、自分の共感できる先生が教えてくれるからです。学生の頃、好きな先生が教鞭をとっている教科を好きになったりしませんでしたか?そのように突き詰めていくと、先生の本質は「共感を作ること」だと考えられます。生徒のことを理解する、共感してあげる。この共感をきちんと作ることはAIには到底できません。
TECH::CAMPで一番力を入れているのもそこです。質疑応答に人が答えることはいずれ自動化されなくなるかもしれません。一方で、勉強しようと思った時に困ったこと、躓いたことに共感して聞いてあげる。そこは絶対に人間にしかできないことだと思っています。
将来は今の教育システムに変わる新たなスクールへ
──「TECH::CAMP」という事業を今後どうしていくのか、より具体的に教えていただけますでしょうか?
教育サービスとしては「今の既存の教育課程に進むよりTECH::CAMPに通ったほうがいいよね」という状態にしたいと考えています。
その一歩として、2017年8月に受けられる講座を大幅に増やしてプログラミングスクールから総合テクノロジースクールに進化させました。今後はテクノロジーを軸足にしつつもさらに、総合的なスクールになると思います。日本で一番教育生産性が高い教育事業者になり、新たな教育の選択になることが目標です。
また事業の広がりとしては、教育から人材輩出まで一貫してやりたいと思っています。多くの人にテクノロジー技術を学んでいただいた上で、チャレンジしたいという人には良い職場に巡り合えるような機会を提供する事業を進めていきます。
現時点でもTECH::EXPERTという、プログラミング完全未経験からエンジニアへのキャリアチェンジを、教育から就職支援までワンストップで提供するサービスを行っております。TECH::EXPERTでは約1年半で150名以上もエンジニアへのキャリアチェンジという機会を提供できました。
そして、転職に成功したとしても、継続して通い続けていただき、成功体験を積み続けられる学校でありたいと考えています。テクノロジーの学びに終わりはありませんので。
連載:起業家たちの「頭の中」
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