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「グローバル思考」の伸ばし方

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イノベーションを起こすには多様な人材が必要であるとはよく言われる話です。ところが、いざ新規事業のために様々なバックグラウンドを持つ人材を集めてプロジェクトチームを組んでも、個性がぶつかりあい、意思疎通すらままならず、イノベーションにたどり着けない……大企業の事業開発現場ではそんな悩みを耳にします。

そこで今回は、戦略コンサルティングのトップ企業であるボストンコンサルティンググループが運営するBCGデジタルベンチャーズ(BCGDV)のパートナー&ジャパンヘッドを務める平井陽一朗氏に、人材の多様性を活かすマネジメントのコツを聞きました。

平井氏は、東京大学経済学部卒業後、三菱商事に就職し、BCGへ転職。その後、ウォルトディズニー・ジャパン、オリコンの副社長兼COO、オリコン・モバイル(現oricon ME)社長、ザッパラスの代表取締役兼CEOを経て、再びBCGに戻り、2016年にBCGDVの日本立ち上げをリードし、現在ジャパンヘッドとして統括をしています。

BCGDVは米国発の組織で、戦略コンサルティング出身者だけでなく、エンジニアやデザイナーなど実務のプロフェッショナルを抱え、大企業のアセットとデジタルを掛け合わせて新しいビジネスをゼロから作り出すクリエーター集団。国内外でFortune 500の企業とともに、過去5年強で100以上のサービスを立ち上げ、約30のジョイントベンチャーを創業させた実績を持ちます。

BCGデジタルベンチャーズのパートナー&ジャパンヘッド 平井陽一朗氏

バックグラウンドもスキルセットもまったく違う人たちが、クライアントである大企業の人たちと協力して大規模なビジネスを作り上げていく──こうした混成チームをうまくマネジメントする秘訣はどこにあるのでしょうか。

求める人物像を明確にする

新しいビジネスを作るというとスタートアップを連想しがちですが、BCGDVの特徴は、大企業とチームを組み大規模なサービスや製品を作り出し、世の中を変えていくところにあります。

そのためまず採用では、「スタートアップで身軽に動きたい人よりも、影響力の大きいビジネスによって世の中のひずみを変え、社会に貢献したいという強い思いを抱えているかを重視する」と平井氏は語ります。これは、BCGDV社内の目線を合わせるためで、その目線がズレてしまうと、クライアント企業ともズレが生じ、大きなビジネスを生むという動機が働かなくなるからです。

あわせて、各職種でどのような人材を求めているかを明確にイメージしています。たとえば、ストラテジックデザイナーという、カスタマーインサイトを引き出し、ビジネスの種を見つける職種においては、「肩書きから、戦略コンサルティングやデザイン思考に長けた人物をイメージするかもしれないが、BCGDVでは“新しいものを生み出す切り込み隊長”として捉えている。だから、人生経験の深さや多面性があり、根っからポジティブな人がふさわしい」となります。

デザイナー職も一括りで考えず、ポップアップ広告が得意な人からモーショングラフィックスに造詣が深い人など、各自の得意領域に多様性を持たせて採用。「男女比も半々、年代もバラバラになるように意識して選んでいる」と言います。実技試験も行い、BCGDVが求めるスキルセットを持っているか、他のメンバーとかぶらない人材かも確認をします。

文=秋山ゆかり

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