ソフトスキルよりもハードスキルを重視 その代償は?
社会で進行する世代間の大きな行動の変化を追跡する人ならば、ソフトスキルよりハードスキルが高く評価されているということは2030年の喫煙禁止の見通しと同様、それほど意外ではないかもしれない。しかし将来の世代、そして今までで最も勤勉な世代であるジェネレーションZの未来において、これらは一体何を意味するのだろうか?
現在の大学生の向上心と集中力は感心に値するものだが、大学は学生がバランスを取れるよう支援する必要がある。学生の長期的な成功の鍵となるのはこのバランスだからだ。
現在、幸福を成功と直接結びつけるような証拠が相次いで明らかになっている。バランスをおろそかにしてひたすら成果を追求することが幸せにつながる可能性は低い。
同様に、共感や対人・コミュニケーションスキル、自信、チームワークなどのいわゆるソフトスキルは学生の雇用適性においてますます重要になっている。リンクトインのジェフ・ウェイナー最高経営責任者(CEO)は、未来の雇用主にとってはコーディングや工学技術などのハードスキルよりもこうしたスキルの方がはるかに有益だと語っている。
学生がバランスを取れるようにするのは大学の責任?
大学に行くことは、若者の成長において重要な瞬間だ。大学は、多くの人が発達上非常に重要な時間を過ごす場所で、一生実践する習慣を身に付け確立する場所でもある。
そのため大学には、学生が心の健康を培い維持できるような環境を作り、より多くの学生を活躍させつつ学生の衰弱を防止する責任が(義務ではないとしても)ある。これには、バランスを取り維持するという人生の最も重要なスキルを学生に教授することも含まれている。
若者のアルコールとたばこの消費が減っていることをたたえながらも、健康と幸せは全体的な視点で評価されなければならないことを忘れないように。
学生の社会生活と意義ある対人関係を築く能力が、ますます成功・健康志向になる社会の犠牲にならないようにしよう。そうでなければ皮肉なことに、学生のキャリアに悪影響が及ぶかもしれない。