シーハンはフォーブスに対し「あの仕事はとても重要だったが、私は二酸化炭素の変換により強い思い入れがあった」と述べた。「そのため、片手間で二酸化炭素の変換に取り組んでいた。コンスタンティンと会ったときは、研究室でいろいろといじくり回すよりも、より大きな規模で気候変動と闘うようにしたいと思っていた」
そこでコンスタンティンのスミノフでの取り組みが、その目標実現に非常に適した方法であることが分かった。それは、水と二酸化炭素のみで作られたウォッカだ。
エアー・コーの蒸留所は現在、細かく考え抜かれたサプライチェーンを活用している。その中核となるのがまず、地元の業者からの二酸化炭素の収集だ。(汚染物質を輸入しては意味がないので、地元企業を対象としている)。また、調達元には他の蒸留所も含まれている。大半の酒類の製造では、従来型の製造方法である発酵が活用されており、発酵のプロセスでは副産物として二酸化炭素が発生するためだ。
しかしそれだけではない。エアー・コーの小型の機械は、天然ガスではなく全て太陽光エネルギーで動いている。エネルギーは主に、同社の屋根に設置された太陽光パネルで生成されたものだ。販売は現時点では地元のみにとどめており、流通による二酸化炭素の排出量を最小限にとどめるため、米国中の市場で支部となる蒸留所を複数建設することを計画している。
共同創業者の2人は、非常に科学的なイノベーションを起こすこととアルコールのような“不道徳”な商品を作ることの間に存在する同社は、これまで真剣に受け止めてもらいづらかったと認めている。持続可能性を追求する投資家もアルコール飲料への投資家も、どちらも最初はこの商品を真に理解することができなかった。同社は現在、小規模シードラウンドを頼りにしつつ、将来的にはシリーズAに狙いを定めている。
「非常に新しい商品を扱うことは難しい。人々の啓発にはただ時間がかかる」とコンスタンティン。「しかし、シーハンがこれまでに実現してきたこと、大気中から二酸化炭素を取り除く飲み物を作ることは本当に、本当に革新的なことだ」