「働けなくなるリスク」は死亡リスクの6倍も。就業不能保険について知っておくべきこと

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さて、会社員(図表2上)の場合は、「障害年金」が国民年金からの「障害基礎年金」と厚生年金保険からの「障害厚生年金」の2階建てになるだけでなく、「有給休暇」がある上に、健康保険から「傷病手当金」も受け取れる。

一方、自営業者(図表2下)には、会社員のような有給休暇も傷病手当金もなく、障害年金も国民年金からの「障害基礎年金」のみだ。公的保障が会社員に比べて手薄く、病気やけがで働けなくなると、無収入の上に医療費がかかり、まさにダブルパンチとなる。預貯金だけでは対応が難しいと考えられるなら、保険の活用も一策だ。

「就業不能保険」のニーズが高い3つのタイプとは

病気やけがで働けなくなったときに備えられる保険として最近関心が高いのは、生命保険会社が扱う「就業不能保険」だ。「就業不能保険」は、就業不能状態が一定期間継続すると、契約した月額が毎月受け取れるしくみになっている。

第一生命の例(図表3)では、入院などの就業不能状態に該当してから14日継続した段階で短期就業不能給付金(契約した月額の半額)が受け取れ、就業不能状態が30日継続した段階で、毎月、就業不能給付金が受け取れる。保険会社によって、就業不能状態が継続する期間や、就業不能年金が受け取れる期間、保障内容が異なる。



なお、「就業不能保険」のほかにも、似たようなしくみを持つ保険がある。損害保険会社が扱う「所得補償保険」のほか、会社によっては「団体長期障害所得補償保険(GLTD)」を団体保険のひとつとして扱っていることも。

最近は、自営業者のほか、住宅ローンを組む人(ローン返済が滞ると自己破産に至る心配があるため)や、シングルの人(共働き世帯とは異なり、働けなくなったときのリカバリーが効かないため)で検討する人も増えてきている。

契約を検討する際は、手元にある預貯金の多寡や自身のニーズを見極め、よく吟味した上での判断としてほしい。

連載:ニュースから見る“保険”の風
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文=竹下さくら

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