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「マタイ効果」は貧富の差が悪循環によって広がることを指す言葉だが、これはインターネットの世界でもよく見られる現象だ。全ての人が素晴らしいリソースにアクセスできるようにすることで不公平を緩和するという名目を持ったツールが、実際には既に恵まれている人々の利益となっている。これは、こうした人々がそのツールを活用する意欲と能力を持っているからだ。

これが最もはっきりと表れているのが、最近人気を集めるようになった大規模公開オンライン講座(MOOC)だ。MOOCでは、世界の一流大学の何千もの短期講習が無料でネット上に公開されているが、主な使用者は既に学位を持っている人で、高等教育の門戸を広げる効果がほとんどないとの批判を生んでいる。

ノースカロライナ州立大学の研究者らは最近発表した論文で、ネット上の求職者支援ツールにもこれと同じような欠陥があるのか、そしてこうしたツールによって採用プロセスが概してより公平な実力主義に基づいたものになったのかを分析した。

より公平な採用活動

ネットが現実世界での採用プロセスにどう影響しているかを調べたところ、「多くの人にとって情報が機会につながっていないことが分かった」と研究チームは述べている。

研究チームは、官民両方の組織が求人情報の掲載や最終的な人材採用にどのようにオンラインツールを活用しているかを調べるため、数十人の上級人事担当者にインタビューを行った。分析の結果、求人市場は顕著に二分化しており、低スキル・低給与の仕事と高スキル・高給与の上級職の間に深い隔たりがあることが分かった。

「低給な仕事の多くは『Monster.com』などの大きな求人サイトで宣伝されている」と研究チームは説明する。「これにより求人情報が目につきやすくなり、多くの職務に数百人あるいは数千人が応募する。すると求職者は仕事を見つけづらくなり、人事担当者にとっても殺到した応募者の仕分けという課題が生じる」

編集=遠藤宗生

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