実際、ここ数年で私たちの仕事の進め方も大きく変わった。今やセールスフォース、スラック、ズームといったサービスを使わない日はないだろう。日々、様々なサービスが誕生し、企業内で複数のサービスを使うことは今や当たり前になりつつある。
そうした流れの中、高まりつつあるのがSaaSの連携ニーズだ。例えば、名刺管理ソフトとセールスフォースを連携させることで、名刺交換した人の情報をセールスフォースに転記せずに済む。また労務ソフトの入力をトリガーにして、G Suiteやスラックの招待を自動化することも可能になる。
「しかしながら、SaaSの連携を実現するためにはエンジニアリソースが必要で、多くの企業ではエンジニアリソースは潤沢にあるわけでないのが現状です」と語るのは、Anyflow代表取締役CEOの坂本蓮だ。
同社はエンジニアでなくても使えるよう、プログラミング不要で国内外のアプリケーションサービス(SaaS)を連携させることができ、業務務効率化を行えるクラウドネイティブのiPaaSプラットフォーム「Anyflow」を提供している。
9月24日、AnyflowはCoral Capitalを引受先とするJ-KISS型新株予約権方式により、2000万円の資金調達を実施したことを明かした。
プログラミング知識不要で、SaaSを連携
Anyflowはエンジニアではなく、ビジネス部門主導でSaaSを連携できるサービス。プログラミングの知識は不要で、利用したいサービスを順番に読み込み、必要な情報を入力してフローを作成するだけで連携が完了する。例えば、入社オンボーディングの手続きをすべて自動化したいと思った場合、SmartHRの入力をトリガーにして、入社時に招待したいサービスをクリックして設定し、情報を入力。
そうすると、新たに入社する人は、SmartHRに一度だけ情報を入力すれば、自動的にAnyflowが裏で可動して、今まで面倒だったサービスの招待・手続きが、すべて自動化される。
「こうしたSaaSの連携は、これまでエンジニアに依頼するしかありませんでした。しかし、エンジニアはSaaSを連携させるために、そもそもSaaSの使い方を勉強しなければなりません。その上でプログラミングをして、動作確認をし、最後にサーバを用意して動かします。サーバがあれば保守・運用も必要になります。こうした依頼を何回もされていてはエンジニアも困ってしまいますし、本来優先すべき開発の時間がなくなってしまうわけです」