「警報で言えば、気象庁の場合、情報を発する基準を厳密に決めています。その基準というのは過去の災害なども参考に、どのレベルが危ないかを緻密に想定して決めているので、地域によって基準が違うんです。同じ量の雨が降っても、雨に慣れている県や自治体とそうでないところを踏まえているなど、その発表の質は本当に高いレベルにあり、私たち伝える側もより分かりやすくと心がけています」
信頼できる警報は、私たちに行動を起こさせる力を持っているはずだ。そして喜田は情報を受け取る側の心構えを期待する。
「情報にはどうしても『自分』の判断が入ります。確かにひどい雨だけど、今までは自分の家は大丈夫だったとか、警報が出ていたけど、何ともなかったという経験から判断しがち。これはある意味、責められないことです。しかし、感性を持って欲しいですね。災害に遭われた方はほとんど『こうなるとは思わなかった』とおっしゃる。その直前には『こんなひどい雨は初めてだった』と皆おっしゃる。今まで経験したことのない雨に出会ったら本当に危ないと感じる感性を育てて欲しいですね」
極端な悪天候が多い昨今、日頃から、普段と違う状況の差を敏感に察知して、これは危ないかもしれないと思える感性は必須のスキルになる。
▼ 警報の種類をおさらい
(気象庁防災気象情報と警戒レベルとの対応について より抜粋)
◎大雨特別警報等:警戒レベル5相当
災害がすでに発生していることを示す警戒レベル5に相当します。何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況となっています。命を守るための最善の行動をとってください。
◎土砂災害警戒情報等:警戒レベル4相当
地元の自治体が避難指示・避難勧告を発令する目安となる情報です。避難が必要とされる警戒レベル4に相当します。災害が想定されている区域等では、自治体からの避難指示や避難勧告の発令に留意するとともに、避難指示・避難勧告が発令されていなくても危険度分布や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしてください。
※警戒レベル4は高齢者だけでなく全員避難を意味します!
◎大雨警報(土砂災害)/洪水警報等:警戒レベル3相当
地元の自治体が避難準備・高齢者等避難開始を発令する目安となる情報です。高齢者等の避難が必要とされる警戒レベル3に相当します。災害が想定されている区域等では、自治体からの避難準備・高齢者等避難開始の発令に留意するとともに、危険度分布や河川の水位情報等を用いて高齢者等の方は自ら避難の判断をしてください。