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2019.08.31 07:30

子どもの頃のあの気候はもうやってこない。天気を感じる感性のススメ

世の中の気候がどうもおかしくなっている──。皆それを理解しながらも、毎日の天気を追いかけるわけではない。台風の接近や、旅行・レジャーの前日といった身近な場合はさすがに調べこそすれ、平時にあってはニュースなどの天気予報というアラートがあって変化を知るという人が多いだろう。

日頃から天気に接することは、仕事においても、増加する災害への備えとしても重要ではないだろうか。今こそ、知識や感性を持って天気に触れるべき時代だ。

多くの気象予報士の中でも、その分かりやすい解説に定評のあるWeatherNewsの喜田勝に、天気について話を聞く機会を得た。評判通りの、平易でありつつも的確な表現がこちらの興味をそそり、話はさまざまな内容に広がった。

専門用語はやめよう

天気予報といえば、西高東低、気圧の谷、前線、など気象用語で語られる。天気図などの画像とセットであればなんとなくは分かるが、前線のあの「半円」や「三角」は何なのだ? 「寒冷」だからどうというのだ? 喜田は「解説は小学生でも理解できるようにすべき」だと言う。

「私の所属する「ウェザーニューズ」はちょうど2005年頃からモバイル向けの情報サービスを本格的に開始しました。たった10年ほど前ですが、ネットで天気を見ると言うのは今ほど一般的ではなかったときですね。そのときに一番心がけたのが“専門用語はやめよう”と言うことでした。もっと言うと、普段使っている言葉で、噛み砕いて伝える、それが一般向けサービスに最も重要なことでした」



現在の報道ステーションで見かける喜田の解説がわかり易いのは、その方針が息づいているからかもしれない。前線の存在を言うだけでなく、場所を示して『この辺りが、天気が変わりやすい』と補足するし、『すぐに冠水が発生するような雨』は『1時間に何mm降った』よりもはるかにわかりやすい。予報の全体的な傾向ではあるが、ゲリラ豪雨や線状降水帯といった新語が出てきたあたりからだろうか、『今までに経験したことのない』といった、よりわかりやすい言葉が選ばれるようになってきている。
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文=坂元こうじ 写真=飯村彩花

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