子どもの質問は本質を突く
子どもと買い物をする際は、子どもをレジでの会計に立ち会わせているが、最近はあえて現金以外の支払い方法も見せている。筆者は現金で金融教育するといいと考えているので、これまでは子どもが支払いに立ち会う際はずっと現金で支払っていたが、そろそろ見慣れてしまい刺激もなさそうなので、クレジットカードや電子マネーでの決済も見せるようにした。
すると、子どもから意外な質問が出た。それは電子マネーをチャージした時のことである。電子マネーに1000円をチャージする際、店側に1000円を現金で支払い、カードに1000円をチャージしてもらったのだが、これに違和感があるという。
筆者から1000円を受け取った店はその1000円を自由に使えて、筆者は筆者でカードにチャージされた1000円を自由に使える。つまり、チャージをしただけで1000円が2000円に増えたというのだ。これが子どもには非常に不思議な現象として感じられたようだ。
筆者が電子マネーを扱うようになったのはすでに成人してからだったと記憶しているが、このような疑問を抱くことはなかった。しかし、たしかに言われてみれば不思議な現象のように思えてくる。この疑問は登場の主体が変わるものの「信用創造」について教えるには最高の教材だ。
親も即答ができるように勉強せよ
いくつかの実例を紹介してきたが、子どもとお金の話をしていると、必ずといっていいほど「なぜなぜ攻撃」に襲われることになる。子どもの質問の恐いところは、一見簡単でシンプルなように見えて、実は真理を理解していないと答えられないところだ。
せっかく子どもが聞いてきたのに、親が答えられないがゆえに、子どもの質問をはぐらかしたりするのは本当にもったいないことだ。そのような事態を避けるためにも、親もお金の勉強をしなければいけない。日本では昔からお金の知識をつけることは卑しいとされてきた。300年以上の歴史がある落語にすら、お金に興味があるのは卑しいなどという表現が出てくるので、もはやこれは日本の文化なのだろう。
しかし、これからの時代はそのような古い価値観は払しょくして、真面目にお金を向き合わないといけない時代になってくる。親も一緒にお金の勉強をして、子どもと新しいお金との向き合い方を実践して欲しい。
連載:0歳からの「お金の話」
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