ビジネス

2019.09.02

スタートアップがしやすい国。いま注目を集めるカナダの秘密

Shutterstock


3. ビザが取りやすい

企業が世界中から優秀な人材を呼び込むために、Global Skills Strategyと呼ばれるビザがあり、経営者、コンピューターサイエンティストやエンジニアに発給している。移民の人たちでも起業ができるように、カナダの投資家やアクセラレーターから採択されるとスタートアップビザの取得ができる。このスタートアップビザがあれば、永住者としてカナダに一生住むことができる。

4. 政府後押しのスタートアップ支援

支援は、政府のファンウディングによるものがほとんどで、大学が主催するアクセラレーターが多い。採択されたスタートアップは無料で受講でき、エクイティーも渡さなくても良いのが最大の特徴だ。

その中でも最も有名なのアクセラレーターは、世界ランキングNo.1にも輝いたDMZだ。私がサンフランシスコで受講したBlackboxアクセラレーターの同期もDMZ卒業生。DMZ始めカナダの大学系アクセラレーターは、その大学の卒業生や在学生ではなくても、社会人でも外国人でも受けられる。

5. ビジネスイベントと言えばカナダ

カナダのスタートアップイベントや見本市は、世界中からビジネスリーダーや未来をつくるイノベーター、トップサイエンティスト、エンジニア等が多く集まる。北米最大級のテックカンファレンス「コリジョン(Collision)」が5月、トロントで盛大に行われ、4日間で700人を超えるスピーカー、2万5000人が参加。これから向こう3年はカナダでの開催が決まっている。

6. 移民の多い「モザイクカルチャー」

カナダには、ダイバーシティ(多様性)の重要性と、移民の独自のカルチャーを尊重する姿勢がある。

1つのピースが繋がり1枚のアートになるように、移民の文化を心から尊重する「モザイクカルチャー」との言われる環境では、グローバル市場に打って出る前に、国内で市場調査をすればオネストフィードバックが受けられるというビジネスメリットもある。

連載:イノベーション・エコシステムの内側
過去記事はこちら>>

文=森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

ForbesBrandVoice

人気記事