もちろんこれにはリスクもある。特に、一部の人はより従来型の勤務時間に近い労働時間なのに対し、他の人は非常に短縮された労働時間だった場合、大きな収入の不平等が生じる可能性がある。そのため研究チームは、勤務時間の短縮を法令で義務化する必要があると考えている。
「全員が週に約40時間働く従来型のモデルは今まで、労働者にとって何時間働くのが良いのかという点を基準としたものではなかった。私たちの研究からは、短時間の仕事にもフルタイムの仕事と同じ心理学的メリットがあることが示唆されている」
「しかし、仕事の質は今後も常に重要となる。従業員が尊重されていない仕事や不安定な契約、ゼロ時間契約を結ぶ仕事は、健康に同じような影響をもたらさないし、将来的にもそうしたメリットはないだろう」
現在の労働時間である1日8時間の概念が作られたのは1800年代で、労働者が仕事と休憩、余暇を平等に取れるようにと活動家が熱心に取り組んだ結果だ。その後、労働市場改革が繰り返された今でも、一般的な1日の労働時間の考え方はしぶとく生き残っている。もしかしたら、この慣習も新たなテクノロジーの登場によって大きく変革されるべき時が来ているのかもしれない。