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I write about economic and social trends in China. @johannylander

フィリピン ロドリゴ・ドゥテルテ大統領 (Photo by Suhaimi Abdullah/Getty Images)

フィリピンは中国人労働者で「あふれて」いる。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが先ごろ報じたところによれば、さらに悪いことに、フィリピン政府は合法・違法に関わらず、入国した中国人労働者の数を把握しきれなくなっているという。

中国人労働者が大量に流入し始めたきっかけは、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が米国との緊密な関係を放棄し、中国に擦り寄り始めたことだ。フィリピン移民局によると、2016年1月から今年5月までの間に約312万人の中国人が、同国に入国している。この中には多数の中国人労働者が含まれるものの、正確な人数が確認できないという。

一方、明確に把握されているのは、外国で働くフィリピン人労働者の数だ。2016年の時点で、およそ220万人に上っている──自国民に十分な雇用を提供できないフィリピン政府は、なぜ労働市場を外国に開放しているのだろうか。

フィリピンと中国の失業率は今年、それぞれ5.1%、3.82%となっている。また、中国のGDP成長率は6.5%で、フィリピンの6.1%を大きく上回っている。

これらの数値からは、もう一つの疑問が浮かんでくる。仕事については自国の方がチャンスに恵まれるはずの中国人が、それでもフィリピンで働こうとするのはなぜだろうか。

これらの疑問に対する答えはいずれも、ドゥテルテ大統領の政策にある。東南アジア関連の情報を提供するアセアン・ポストによれば、約1800億ドル(約19兆8400億円)を費やすフィリピン政府のインフラ整備計画、「Build, Build, Build(ビルド・ビルド・ビルド)」プログラムと中国の「一帯一路構想」が、アジア最大の規模となるインフラ建設ブームをもたらしているという。

アフリカやアジアのその他の国の場合と同様、中国の建設業者は自国のエンジニアや労働者を建設作業にあたらせる。そうした労働者には、中国国内で働く以上の賃金が支払われるとみられている。

編集 = 木内涼子

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