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CRRA機構長 村木風海

少年は10歳のとき、二酸化炭素に恋をした。

以来二酸化炭素の研究を続け、高校生の時に開発した『CARS-α(カルス・アルファ)』と呼ぶ小旅行用のキャリーケースを改造した機械を切り札に、地球温暖化を本気で食い止めようとしている。今年の春、東京大学に入学した異才だ。

「世界を変える30歳未満」として、日本を代表するビジョンや才能の持ち主を30人選出する名物企画「30 UNDER 30 JAPAN 2019」のサイエンス部門で選出されたのは、村木風海、19歳。



なぜ10歳で二酸化炭素の虜になったのか。そして地球温暖化を食い止めるために「二酸化炭素から全ての有機物をつくる」という彼の壮大な青写真を紐解く。

地球温暖化は、もう止まらない

二酸化炭素の排出を止めたとしても、地球温暖化は止まらない──。村木はそう話しだした。世界中の人々が今すぐに二酸化炭素の排出を完全にストップしたとしても、海面上昇はどうあがいても西暦3000年まで続くのだという。

学術誌『Nature Climate Change』に発表された論文によると、2300年までに北極の平均気温は17℃も上昇するという。日本も気温上昇が見込まれ、さらには世界規模の食糧難も免れない。

そこで村木は、解決のために発想を転換した。 「二酸化炭素の排出をゼロにするのではなく、空気中の二酸化炭素を回収してマイナスにすればいいと考えました」 そのために村木は、気候工学のテクノロジーを用いて二酸化炭素を空気中から直接回収するマシン『CARS-α』を制作している。


村木がつくる「CARS-α」、通称「ひやっしー」

キャリーケースの上面に装着されたタブレットには、愛嬌のある黄色い顔のキャラクターが映されている。「地球温暖化を食い止める切り札」と聞くと最初は頼りなく感じる。しかし『ひやっしー』という愛称のこの機械には、全世界の認識を変え、地球温暖化を止める大きな可能性が秘められている。

文=田中一成 写真=小田駿一

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