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後藤道輝

金融分野でフィンテックの活用が注目を浴びる一方、いまだ多くの日本企業で旧態依然とした慣習が染み付いたままの給与支払い制度。後藤道輝が率いるペイミーは、この領域に革新をもたらすべく、テクノロジーを活用した給与即日払いサービス「Payme」を提供している。

後藤は今回、日本を代表するビジョンや才能を持つ30歳未満の30人を選出する名物企画「30 UNDER 30 JAPAN 2019」のエンタープライズ・ビジネス部門を受賞。

そのビジネスモデルから、一時は批判にも晒されたペイミーだが、後藤が決して諦めることなく、挑戦を続ける理由とは。



身近な人たちの「機会損失」を目の当たりにした学生時代

虚を突かれた。というのも、取材当日、彼が意外にもフォーマルなスーツ姿で会議室に現れたからだ。スタートアップの起業家は、自社ロゴが入ったTシャツを着て公の場に登場することが多く、彼も以前はそうだったはず。なぜ、あえて真新しいダークスーツに身を包んで取材に臨んだのか。彼、後藤道輝は、その理由をこう話す。

「起業家たちが集まる“スタートアップ村”の中で、ワイワイと楽しくやっているだけの存在にとどまるつもりはありません。僕らは、スタートアップを卒業して、きちんと社会に認められる大企業に成長していきたいのです」

発言の真意を理解するには、ペイミーの成り立ちを振り返る必要がありそうだ。時は、後藤の学生時代に遡る。

東京都大田区蒲田出身の後藤は、父親は消防士、母親は看護師という家庭で育った。両親の影響を受けた彼にとって、グローバルな舞台で人助けの仕事をすることは、物心ついたころからの夢だった。慶應義塾大学に入学すると、後藤は海外へ飛び出し、ボランティアやスタディツアーなどの活動に励むようになる。実際の体験を重ねると、漠然と捉えていた人助けに対する考え方は、金融と結びつくものに発展していった。

「目の前で困っている人に善意で何かを届けること自体は、非常に素晴らしいことだと思いました。でも、自分がカンボジアに行って一つの井戸をつくることよりも、ファイナンスを100億円して、そこにダムをつくったほうが、よりみんなのためになるのではないか、と考えるようになりました」

文=花岡 郁 写真=小田駿一

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