力強い口調でこう語るのは、Boulder代表の牟田吉昌。同社はスラック上のデータをAIで解析し、従業員のコンディションや業務時間などを客観的に可視化するサービス「Well(ウェル)」を開発、提供しているスタートアップだ。
2019年8月22日。Boulderはジェネシア・ベンチャーズ、FORCAS・ジャパンベンチャーリサーチ代表取締役の佐久間 衡、ヘイ代表取締役の佐藤裕介から総額6000万円の資金調達を実施したことを明かした。この発表に際し、同社はWellのα版をリリース。無料でトライアル利用できるファーストユーザーの募集も開始している。
前職でのマネジメントの失敗がサービスの原案に
Boulderの創業は2019年4月。代表の牟田は新卒でリクルートホールディングスに入社。新規決済事業「Air PAY」の開発に携わった後、英会話・外国語レッスン予約サービス「フラミンゴ」の立ち上げに参画し、COO(最高執行責任者)を務めた人物。
「もともと『起業したい』思いは持っていた」と語る牟田だが、なぜエンプロイーサクセスにフォーカスした事業を手がけることにしたのか。その理由は前職での“失敗”にある。
「フラミンゴで働いているとき役員だったので、当然ですが部下のマネジメントも担っていて。当時の自分は日々感覚でメンバーの顔色等に気を配っていましたが、それでも自分が気づかないうちに病んでしまい、退職してしまいました。その時すごく反省をしました。
マネジメント側はすごいやった気になるのですが、マネジメントされる側は効果があったのか、ないのかが分からない。これだけデータ活用の時代と言われている中で、従業員の状態の分析などは進んでいない。だからこそ、データを活用して従業員のコンディションを可視化するツールが必要だと思ったんです」(牟田)