回答を準備する人が多い典型的な面接質問 避けるべき理由とは?

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候補者に「あなたのことについて教えてください」と尋ねるとしよう。候補者が正直に「実は、私は絶えず仕事に遅刻していて、上司や同僚とは言い争いがちです」と言うことはまれだろう。その代わり「私はモチベーションが高く自発的な人間です」「私は積極的な問題解決者です」などの答えが返ってくるはずだ。

また相手の弱みについて尋ねた場合、「1日中怠けているのが好きで、同僚をいじめるところです」と言われるよりも「これまで、物事を大事にし過ぎる、自分を捧げ過ぎていると言われてきました」と回答される場合がはるかに多い。

こうした3つの質問の大きな問題は、誰もが事前に回答を考えていることだ。そして意外ではないが、こうして事前に用意された答えは全て前向きな方向にゆがめられていて、どれも似通って聞こえる。候補者の答えが似たり寄ったりだと、質問への答えを基にして将来活躍する人とそうでない人を見分けるのはほぼ不可能だ。

面接の質問が効果的かどうかを測る大きな基準の一つは、優秀な人とそうではない人(あるいは素晴らしい考え方の人とそうでない人)を見分けることができるかどうかだ。面接では、候補者が正しい態度を備えているかどうかを見分ける時間は非常に限られているため、この試験に合格しない質問はどれも時間の無駄だ。

候補者にすべき質問とは?

では、候補者にはどのような質問をすべきだろうか? 優秀な態度がどのようなものかは企業によって違う。そのためまずは、現在の優秀社員とあまり優秀でない社員が実際の職場での状況にどのような態度で対処しているかを観察することを勧める。例えば、どのように完了すべきか分からない仕事を割り当てられたとき、優秀な人とそうでない人は明確に異なる態度を示すかもしれない。

それから、「仕事を完了するのに必要なスキルや知識が欠けていたときのことを教えていただけますか?」のように「〇〇のときのことを教えていただけますか?」と尋ねる。また、それに続けて「その状況をどのように解決したかを教えてください」と言えば、解決策を見つける行動を全く取らなかった多くのケースではなく、1度「不利な状況を挽回した」ケースについて聞きたいと思っていることが伝わる。

自由に回答させる形式にしておけば、優秀な人(問題解決者)は自然に解決策を共有してくれるはずだ。しかし、優秀でない人(問題を引き起こす人)は問題について話すだけだろう。

多くの人は、実際の仕事よりも仕事を得ることに意欲を燃やしている。候補者の態度を基準として採用することで、こうした仕事能力の低い人の採用を防ぐことができる。企業の成功の定義となる考え方を見つけ、それを活用することで、本当に求められる優秀な人間だけを特定・採用できるような採用プロセス(面接での質問を含む)を構築しよう。

翻訳・編集=出田静

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