内定が欲しければ「なぜ」を4回繰り返せ。ファストリ採用責任者が語る「就活」とは

ファーストリテイリング 人事部 IT採用チームリーダー 鈴木 健太郎

「そもそもなぜ働くのでしょうか。なぜ就活をするのでしょうか。『なぜ』を考え抜かないまま就活に取り組んで、ネームバリューや思い込みによる企業イメージなどだけで入社を決めてしまうと、たった一回の人生、限られている時間を無駄に過ごしてしまうことになってしまいます」

そう話すのは、現在、ファーストリテイリングでIT採用の責任者をしている鈴木健太郎だ。彼は2017年の10月、同社グループ全体の新卒採用の責任者として入社した。前職であるマイクロソフトでの経験をもとに、今はIT人材の採用責任者として世界中で採用活動を行なっている。去年末からはインドでも採用活動を開始した。

「逆算」で専攻を選ぶ海外の就活生は就活に強い

前提として、私は“日本”と“海外”という区分けに違和感を持っています。海外に行くと我々も外国人です。今の時代、日本という国にこだわらずに、境界がない世界=グローバルレベルで物事を考える必要があるということを始めにお伝えしたいです。

あえて日本と海外を比較するのであれば、海外の学生には幼少期から「〜になりたい」や「この会社に入りたい」というはっきりした目的が先にあって、そこから逆算して大学や専攻を選んでいます。「プログラマーになりたい」が先にあって、プログラミングに強い学部や学科や大学を探す、といった順序でしょうか。

だから、卒業するときに、就活を意識しなくとも、今まで学んできた知識や経験を生かして「職」に就くことが出来ます。求めている「職」はどの企業で就けるのか、もしくは起業しなければ達成できないのか、など。日本はまだまだ就「職」でなく、就「社」です。企業に入ることが目的になっている学生が多いと感じます。

日本の学生の「ビジョンが設定できないことへの悩み」も多く聞きますが、海外の学生に比べると、自ら考える力が弱いと感じます。自分で目標を設定しなくても周りの人がしてくれるからです。また、物事を考え、伝えていくことを小さい頃から行なっている国々とは大きく異なり、日本の学生は言語化して物事を伝える力が圧倒的に弱いですね。いわゆるプレゼン能力の差が目立ちます。面接もセルフプレゼンテーションですよね。
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構成=裵麗善(ぺ・リョソン) 写真=帆足宗洋

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