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2019.08.17 11:00

遊んで学ぶ。遊びの「戦」が地方創生のカギになる


実際に、全国の史跡からの問合せも増えている。

2020年の大河ドラマが明智光秀を主役にした「麒麟が来る」に決まると、明智ゆかりの地を盛り上げようと、昨年は京都の福知山城でもチャンバラ合戦が開催された。織田信長vs明智光秀での対戦だ。あまり知られていないが、光秀は、信長の命で福知山城を築城した後、城下の基礎形成に着手。光秀と信長の関係性や、光秀の福知山エリアでの功績を楽しく説明するなど、武将と城の関係の説明も欠かさない。

毎年ゴールデンウィークに兵庫県の姫路城で開催される合戦に300人が集結する。参加者の年代は様々で、リピーターも多い。7月には、織田信長、武田信玄、伊達政宗など名だたる戦国武将の猛者たちが眠る和歌山県高野山でも行われ、大人を中心に白熱した戦いが繰り広げられた。依頼がある自治体や協議会からの満足度が非常に高くリピート開催にも繋がっている。


7月に開催された地方創生会議では、戦国時代の猛者たちが眠る和歌山県高野山で「チャンバラ合戦」が繰り広げられた

戦いが地方創生のカギになる


寺社仏閣史跡を訪れたとして、ただ見学するだけでは物足りないし、理解が追いつかない部分もある。立て看板や文字から学ぶだけでは限界がある。そんな中、チャンバラ合戦を活用すると、その地域の歴史や文化に触れることができる。

また、合戦の傍では、歴史に詳しい年配者が、子供たちにその地域の歴史や戦国武将の逸話などを話す場面もよく見られる。これまで交わる機会の少なかった世代同士が、遊びによって接点が生まれ、お互いの理解が深まるキッカケになっているのだろう。

これはもちろん、外国人観光客にも当てはまる。日本各地にある寺社仏閣史跡は、鎌倉時代でも幕末でも、歴史がある以上、戦と隣り合わせになっていることが多い。その土地ならではの「戦ごっこ」を組込むことで、観光客に新しい歴史観光の体験を提供し、新鮮でかつ楽しい観光地としての再生を図ることができるかもしれない。

連載:「遊び」で変わる地域とくらし
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文=内田有映 取材・協力=池嶋 亮

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