5. 藻を使った水産飼料
WRIの報告書によると、魚の消費量は2010~50年の間に58%増加するとみられている。一方、大半の野生魚の漁獲量はすでにピークを過ぎている(大半は1990年代半ばがピークだった)。増加する需要を満たす方法は、水産養殖しかないということだ。
養殖魚の生産性を高め、より持続可能なものにするために期待されている水産飼料は、養殖魚の栄養価を野生魚に近いレベルにまで高めることが可能な「藻」を原料としたものだ。
6. メタンガスを減らす飼料添加物
家畜が排出するメタンガスなどの量を減らすために、家畜飼料に添加できる新たな化合物の研究が進められている。例えば、数多くある牛の消化酵素の一つに付着してそれを破壊し、メタンガスの排出量を最大30%削減できるというものなどだ。
7. 有害ガスを出さない植物
現代の農業が環境にもたらす最大の問題の一つは、使用される肥料が主に化学反応によって、土壌や水に過剰な栄養を与えていることだ。
ラテンアメリカでは、特定の種類の牧草に与えても亜酸化窒素がほとんど放出されない肥料が発見された。また、化学肥料大手ユーロケム(EuroChem)は、添加することで最も有害な排出物の一部を抑制できる化合物の特定に取り組んでいる。
8. 生物処理
現在行われている嫌気性消化の技術は、完璧なものではない。だが、生物処理技術は全体として、持続可能性の向上に有効だとされている。報告書は、処理技術が向上すれば、排出量を大幅に削減することが可能になると指摘。また、大量のバイオガスを生産できるようになれば、化石燃料への依存度を低下させることもできると説明している。
9. 携帯電話
農家にとって最も重要な生産方法の改善策の一つは、他の農家と話し合うことだ。農家同士が関係を深め、お互いのコミュニティーやそれを超えたつながりを通じてより多くのことを学べるようになれば、持続可能性の向上につながるだろう。