気候変動がスバールバルにもたらす影響
スバールバルでは近年、流氷の数が減ったことで、ホッキョクグマが食べ物を見つけづらくなっている。昨年には、集落から離れたホテルで、腹をすかせたホッキョクグマが常温食料庫に侵入する出来事もあった。
ノルウェー北極研究所は北極評議会(AC)の取り組みに参加している。評議会が最近開いた会合で発表された報告書では、北極圏での温暖化が世界の他地域と比べて倍の速度で進んでいることが明らかになった。同報告書はまた、北極の海氷の量が過去40年で75%減少していると指摘。こうした急速な変化は、陸海両方の生態系に大きな影響をもたらす。
温暖化は、人間にも大きな影響をもたらしている。スバールバル諸島スピッツベルゲン島にあるロングイェールビーンの集落では、周辺の山でなだれがより頻繁に起きるようになり、当局の頭痛の種となっている。2015年にはなだれで2人が死亡。なだれはそれ以降、毎年起きている。ロングイェールビーンの住民にとって、集落からの避難は日常となりつつある。