オリエンタルラジオの中田敦彦氏は、ユーチューブのチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」の爆速成長について話す中で、その改善サイクルについてこう語った。「幸福洗脳」というファッションブランドも展開する彼は、自分自身について「DOが先にくるのは、そもそもどっかしら破滅的なのかな」とも話す。
お笑い芸人という枠にもテレビやメディアという舞台にも収まらず、挑戦を続けるその原動力はどこにあるのか?
13の職を経て、IT批評家として活躍する尾原和啓氏との対談、後編。(前編はこちら)
尾原和啓(以下、尾原):僕が思うに、中田さんはものすごくPDCAが速いんです。「中田敦彦のYOUTUBE大学」を見ていると、どれが当たるか当たらないのかをものすごく自覚的に計算されながら、作られてるように感じる。
例えばホワイトボードにあらかじめ概要を書くっていうフォーマットも、どの動画、どのやり方がヒットするのかを確認しながら、試行錯誤の上にできた感じですよね。
中田敦彦(以下、中田):そういうチェックと改善は徹底します。ただそれも美徳とは考えてなくて、そういう病気だと思ってる。ホワイトボードを使う人の動画を見ていると、字を書いている時間がすごく勿体ないと思って。だから、あらかじめ書いておこうと思った。やってみると便利なんです。カンペにもなるし、視聴者から見ても、いつでも要点を確認できるから。
ファッションブランドの「幸福洗脳」を立ち上げた時もそうなんですけど、要するに商品やお客さん、場所や広告をひたすら見て、クオリティを上げていくのを繰り返す。何度でも改善するっていうやり方です。
尾原:ちなみに「幸福洗脳」は、「シュプリーム」を意識してると公言されてますよね。
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中田:そうですね。ただ「シュプリーム」の広告の手法って、みんな同じやり方で真似してるから、もっと違うやり方をしたいなと思って。まずはやってみてから、修正していけばいいと。だからPDCAを早くするには、ほぼPしないことだと思っていて。
尾原:おっしゃる通りです。だから僕も最近は、DCPAだと思っていて、まずDOしてから当たったのだけCHECKして、そこからPLANを立てたほうがいい。DOのコストが安い時代なので。
中田:確かに。それでいうと僕、妻に「あなたは怒られることをなんとも思ってない」て言われていて。DOが先にくるのは、そもそもどっかしら破滅的なのかなと。「幸福洗脳」もそういうスタートです。
尾原:さすがに電柱広告、しかも離れた大門でみたときは、「ユーチューブで儲かったからこんなことやってるの? 大丈夫?」って、さすがに心配しました。あちこちに広告出されてますよね?