音楽フェスのサウンドを変えるスタートアップ「MixHalo」の挑戦

最近のコンサートでのエアロスミス(Photo by Rich Polk/Getty Images for Janie's Fund)

ロックバンド「インキュバス(Incubus)」のギタリスト、マイク・アインジガーが共同創業したテック系スタートアップ「MixHalo」が新規で資金調達を実施した。MixHaloにはファレル・ウィリアムスやメタリカらも、アドバイザーとして参加している。

同社のテクノロジーは、ライブイベントのサウンドのクオリティを向上させる。今回の1070万ドル(約11億5000万円)のシリーズA資金調達はFoundry Groupが主導した。MixHaloのCEOにはテック業界のベテランのMarc Ruxinが就任し、アインジガーは最高クリエイティブ責任者を務める。

MixHaloのテクノロジーは、イベントの参加者の携帯電話を中継ポイントとしてネットワークを構築し、ハイクオリティな音声データを会場内や場外に転送可能にする。コンサート会場においては、ステージから遠い席でも、ヘッドフォン経由でミュージシャンがステージ上のモニターで聴いている迫力あるサウンドが楽しめる。

「動画分野でHDが果たしたのと同様な進化を、ライブイベントのサウンドで実現する」とRuxinは話した。

MixHaloのシステムは既にエアロスミスでのライブでもテストが実施され、VIPチケットの保有者らに特別バージョンのサウンドを体験させた。また、ファレル・ウィリアムスが主催する音楽フェスでもこのシステムが活用された。

MixHaloのテクノロジーは音楽イベントだけでなく、カンファレンスなどの様々な催しでの利用が想定されている。カンファレンスにおいては、複数の会場の音声を個別に配信可能になるほか、同時通訳版の配信にも活用できる。

また、スポーツイベントにおいては解説ナレーションをリアルタイムで届けられる。オペラにおいては歌詞の翻訳版の配信も可能になる。また、イベントの場内案内での活用も想定されている。

今回の出資にはベンチャーキャピタルのSapphire Sportや、Defy Partners、エンタメ企業のRed Light Managementも参加した。

編集=上田裕資

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