とはいえ、M&Aなども担当していたので、緊急案件を取りこぼさず即レスするために、重要なキーワードが入ったメールだけを1つのフォルダに振り分けて、そこにメールが来たらアラームが鳴るようにメーラーを設定し、そのメールだけは即効返信するようにしました。
それ以外のメールは、3時間で返答するようにしてみました。3時間の後は、半日にしてみる。半日を今度は翌日にしてみる。このように徐々に返信時間を遅らせていくと、本当に急ぎのものは、電話で入るようになりました。
その電話も夜10時以降は出ないと決めて、いざ実行してみると、意外にも大きな問題は起きなかったのです。上司からは数回「最近レスが悪い」と文句を言われたことはありましたが、業績評価には大きく響きませんでした。
こうして、少しだけでも会社に縛られない状態をつくりだすことで、自分に余裕が生まれました。そこでできた時間で、自分のキャリアや人生をどうしたいのかを考えました。
そして、現状の忙しさを緩和させるために、自分の仕事を移管する部署を設立する企画書をつくり、上司に提出しました。派遣ではあるけれど、2人のチームをつくることの許可をもらって、自分の仕事をそちらに移しました。
さらに、自分のキャリアアップのために、違うスキルセットを身につけようと決め、翌年、部門異動も実現しました。
このように、まず、自分のこれからを考えるためのゆとりをつくりだすことが重要なのです。それが、「この状態でいいのか?」ともやもやしている状況を整理して、乗り越える一歩につながるのです。
講ずるべき方策まで話してくれる人に相談する
少し前に、自分自身の会社を持つ友人が、職場の問題について相談してきたことがありました。話を聞き、「もし私だったらこうする」という提案をしました。
彼のキャリアに傷をつけることなく、どうしても自分の会社から手を引きたいと考えている彼の意思を尊重しながら、事業譲渡、アライアンスなどの施策とそれにかかる期間、候補企業、すべての施策に対するメリットとデメリットを含めて、私なりに整理した事柄を話しました。
それから半年過ぎ、その友人に偶然パーティで会ったところ、事業譲渡が成功して、円満に会社を退職し、現在は違う企業に就職して、楽しく仕事をしていると、彼は話してくれました。