そんな心のハードルを跳び越える勇気を得るためにはどうしたらよいか。今回は、自分の考えを整理して、前に進む意欲を生み出すテクニックをご紹介します。
メールの返信を遅らせてみる
転職がそれほど珍しくはない昨今ですが、いまの職場を離れる不安のある方も少なくないでしょう。目の前の仕事を黙々とこなしていれば、会社が働く場を用意してくれるという環境がまだまだあります。
私自身、会社員生活を長くしてきたので、会社に囚われてはいるけれども、だからこそ安心して乗っていられるベルトコンベアのような人生の安逸さにすっかり甘えていた時期もありました。
しかし、「このままで本当に大丈夫だろうか?」という疑問が、自分の心の中に少しでもよぎるならば、「ちょっぴりだけ」そのベルトコンベアから降りてみる方法はあります。
私は、以前勤務していた会社で、深夜に及ぶ残業が続き、オフィスで倒れたことがあります。救急車で運ばれる私を、同僚がノートパソコンと書類一式を持ってタクシーで追いかけてくるほど忙しく、入院中も朝から病室に会社の人が入れ替わり立ち代わり訪れては会議をしていました。
そして、退院したらしたで、あっという間にまた夜中まで働く生活に戻りました。「こんな働き方をしていて私は幸せなんだろうか?」そんな思いが頭をかすめても、ゆっくりと考える余裕さえありませんでした。
しかも、当時は契約社員だったため、「パフォーマンスが悪かったらクビを切られる。仕事をがんがんやって何とか正社員にならなくては」と追い詰められていたことにも原因していました。
そのときに、私が行動をとったのが、「ちょっとだけベルトコンベアから降りてみる」ことでした。「メールもチャットも即レスが当たり前」と社内では言われており、ひっきりなしに来るメールやチャットに夜中まで対応していたので、まずこれを少しだけやめてみようと決めたのです。