トリップアドバイザーでは2018年に引き続き今年も、サイトで予約可能な、世界で最も愛されているビールツアーをリストアップしている。ご想像通り、リスト一覧に並んでいるのは、バーやビール醸造所をめぐるツアーだ。しかし、ビールを楽しむための旅行先として必ずしも人気ではないところもランクインしている。
チェコ共和国は、ピルスナー発祥の地でありながら、ビール好きが訪れたいと思う旅行先の上位にはあまり入らない。しかし今回のランキングでは、「プラハのビールとチェコのタパスを楽しむ、夕方のウォーキングツアー」が1位に輝いた。企画しているのは、ウォーキングツアーなどを開催するアーバン・アドベンチャーズ(Urban Adventures)だ。
このツアーは、「プラハで最も活気のあるバーが立ち並ぶ地区」を訪れる4時間のナイトツアーだ。料金は約87ドル(約9390円)で、ビール(小)5杯、チェコを代表する軽食4種、地下鉄とトラムの運賃が含まれている。「英語を話す地元ガイド」によるチェコの歴史、政治、文化、ビールについての話も楽しめる。
英語のレビュー597件のうち、586件が「とても良い」と評価している。ユーザー「joselonavarro」は、6月に次のようなコメントを投稿している。「とても楽しいツアーだった。ガイドのトーマスがとても熱心。ビール好きで、ふつうの旅行者とは違う体験がしてみたかったら、このツアーを予約すべき」
トリップアドバイザーの広報担当者ローレル・グレイトリックス(Laurel Greatrix)は、「ビールツアーなら、地元住民が集う場所をガイドと一緒に散策するのにうってつけだ」と話す。
1度きりのガイド付きツアーというと、たいていは月並みな観光地巡りだ。けれども今どきのツアーは、団体行動やバス、あるいは、1969年の観光コメディ映画『火曜日ならベルギーよ』で描かれたような各地を巡る周遊タイプを敬遠する傾向にある。代わりに好まれているのが、徒歩や公共交通機関で移動するツアーだ。しかも、ガイドブックに載るような型通りの観光ではないアトラクションが企画されている。だからこそ、ビールで名を馳せているわけでもないシドニーのような都市が意外にも2位にランクインするわけだ。