同調査は先日、科学誌サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)に掲載されたものだ。研究者らは、英イングランドの2万人近くから集めたデータを分析し、都市の緑化スペースや実際の森林、浜辺など自然の中で過ごすと答えた時間を回答者の心と体の健康と相関させた。
その結果、自然の中で過ごす時間が119分以下である場合はあまり大きな変化は起きないようだったが、週に少なくとも120分以上を自然の中で過ごしていた人は自分が健康で幸福だと答える確率が高かった。また、これ以上の時間を自然の中で過ごすことも同様に良い効果をもたらしていたため、週に2時間という数字が最適値というわけではない。これは、明確な効果をもたらす最小値として研究者らが示したものだ。
また興味深いことに、この時間を自然の中で1度に過ごすのか何度かに分けて過ごすのかは重要ではなく、自然の効果は累積するようだった。
研究者らは論文の中で「私たちはそのため、自然の中で週に120分を過ごすことが『境界値』だと仮に提案する。自然と触れ合う時間がこれよりも短い場合、健康や幸福を大きく増進させるための十分な時間にならないが、これ以上の時間を自然の中で過ごせばメリットが現れる」と述べている。
自然の中で毎週2時間過ごすことの健康効果は、推奨される身体活動レベルを達成することと同程度だと研究の著者らは見積もっている。とはいえ、運動の代わりに公園に2時間座っていればよいというわけではなく、同じくらいの健康効果があるという意味だ。
森林浴に関する研究により、たとえ動かなかったとしても自然の中にいることにはそれ自体メリットがあるようだということが分かった、と研究者らは指摘している。十分な運動を行いつつ、自然の中で時間を過ごすことがおそらく賢い選択だろう。自然の中で運動すればなおよいはずだ。