「忙しくても勉強を続けられる社会人」に共通する3つの心がけ──ビジネススクール講師が伝授

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──目標をもつ、隙間時間を使って習慣化する、アウトプットする。いずれも大事なことだとは思うのですが、それでも勉強を継続するのは簡単ではなさそうです。

はい。良い勉強法がわかっていても、一人で黙々と勉強するのは難しいですよね。そこで最近は、同じジャンルを勉強している人と実際に会ってみることを推奨しています。

近年は少数精鋭の企業も多く、社内で同じジャンルに詳しい人がいないこともあります。マーケターならマーケターというように、社外の同業者に会ってみると最新のトレンドや効率的な情報収集法がわかることが多い。

グロービス学び放題でも、動画受講者が実際に顔を合わせる機会を設けており、お互いの勉強法の紹介や学んだフレームワークのアウトプットとしてご利用いただいています。ユーザーの方々同士がフェイスブックグループを作り、自主的に集まることもあるそうです。

自主学習は孤独な取り組みになりがちですが、話し合える相手がいるだけでもモチベーションは随分高まります。動画学習の場合でも、近年は勉強も「コミュニティ」で行うものなのではないでしょうか。

──最後に、社外で勉強する人に意識してほしいことはありますか。

どんな知識であっても、すぐに身につくことはありません。便利なフレームワークや理論も、ほとんどの人はすぐに使いこなせない。記憶して、実際に使ってみて、失敗して。それで何度も学び直したりアウトプットしたりするうちに初めて定着するのです。

そのためには勉強時間を確保できるようライフスタイルを変えて、きちんと学ぶ必要があります。近年の書籍には「1週間で身に付く〇〇」といったタイトルも多いです。これは勉強のきっかけ作りには良いですが、それだけで結果が出るとは思わないほうがいいかもしれません。

また、「良い学習コンテンツ」は人によって違います。言い換えれば、「いまの自分に最適なコンテンツは何か?」という質問の答えは、自分にしかないということです。

私は、学び直しとは究極的にはそれを通して自分が幸せになるための手段だと思っています。幸せになるためには自分がどんな人間、どんなライフスタイルを目指しているのか、内面を深掘りする必要があります。それに応じて必要なジャンル・スタイルのコンテンツを決めるのです。

いまはひとたびSNSを覗けばあらゆる人の学びを確認できますが、それを追ってばかりいるのはオススメできません。それよりも大切なのは、グロービスで「志」と呼んでいる、自分の内面を追いかけることではないでしょうか。死ぬまでにやりたいことを考えて、そこから逆算して今知るべきことを考える。そうすれば自ずと理想のコンテンツが見えてくるはずです。

文=野口直希 写真=小田駿一

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