「忙しくても勉強を続けられる社会人」に共通する3つの心がけ──ビジネススクール講師が伝授

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──受講者の傾向と、人気の講座を教えてください。

講座を受講するのは、主に20代半ば〜30代後半ですね。ある程度の実務を経験して課題を見つけた人や、昇進して管理職になるのでマネジメントスキルを身に付けたい人、転職の前にキャリアを見つめ直したい人など様々です。

人気なのは、我々が「ビジネスフレームワーク」と呼んでいる経営の原理原則や、クリティカル・シンキング(論理思考力)ですね。前者は製品を作ってオペレーションしてといった経営の全体像を知ることで、大きな流れの中で自分の仕事を捉えることができるようになる。

クリティカル・シンキングでは、思考の型を覚えるところから学習を始めます。適切な根拠の示し方や見せる順番を把握すれば、上司や取引先に提案を伝えやすくなる。こちらは特に若者に人気ですね。

もちろん、会計や営業といった所属部門の知識や、マネジメントなどの勉強をする人もいます。現代はベンチャーなど少数の組織も多く、新設部署の一号社員になるケースや、そうでなくても必要な知識を上司が知らないことも多い。そこで社外で学びにくるというわけです。

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──勉強を継続し、結果を出すためのコツはありますか?

絶対の法則はありませんが、なかなか勉強に身が入らない人は、上司に「資格を取れ」と言われて何となく勉強を始めるなど、学習する目的が曖昧なことが多いですね。

なぜ自分が勉強をし、それを通じてどのような人間になりたいのかが明確な人は、主体的に勉強するので成果につながりやすい。「英語を学んで海外で働きたい!」という長期的な目標だけでなく、そのために「半年後のTOEICで800点を取る」など短期・中期的な目標をもつとモチベーションを維持しやすいです。私も英語やMBAの勉強をしていた頃は、「まずは3カ月続けよう」と期限を決めていました。

また、勉強を継続するために隙間時間を利用する人も多いですね。ジムのランニングマシーンで走りながら、朝早く料理をしながらなど、生活の中に勉強を組み込んでしまえば、時間がない人でも続けやすい。継続的に学習している人の共通点は、毎日同じ時間に勉強するなどの習慣化に成功しています。

3つ目は、実際にアウトプットしてみることです。講義内容をメモにまとめるだけでも定着率は上がりますが、それを人に教えたりSNSで外部発信したりすればより効果的です。

さらにオススメなのは、実際に仕事で使ってみること。例えば受講者の中には、3C分析などのフレームワークを学んだら、実際に自社や競合を分析してスライドにまとめている方もいらっしゃいました。自分の業界への理解度も深まりますし、仕事上での資料としても重宝しているそうです。
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文=野口直希 写真=小田駿一

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