今から約1年前、バイドゥのアポロチームはNeolixと共同でプロモーションビデオを製作したが、その動画では花束をいっぱいに詰め込んだデリバリーロボットが、プロポーズのメッセージを女性に届ける様子が描かれていた。
Neolixは年間販売台数10万台の達成を5年以内に見込んでおり、世界の潜在的顧客らと協議中という。同社の現在の主要顧客は中国のJD.comやファーウェイとされている。
ブルームバーグによると、Neolixの車両は北京から約100キロ離れた経済特区の雄安新区及び、北京の一部、さらに常州市でオペレーションを行っているという。車両は現状ではテスト段階にあるものと見られるが、稼働中の台数やその他の指標は開示されていない。
米国のスタートアップ企業らも、自動運転デリバリーロボットのテスト導入を進めている。マウンテンビュー本拠のNuroは創業3年で10億ドル以上を調達し、アリゾナ州で生鮮食品の宅配のテストを実施中だ。
uDelvやAutoX、Drive.aiといった企業も一般的なバンを改造した自動運転車両で、同様なプログラムを行っている。また、さらに小型のロボットを歩道で走行させ、昼食などをデリバリーしているのがStarship RoboticsやKiwibot、アマゾンらだ。
自動運転のデリバリーロボットは、人間を載せる自動運転車両と比較すると、いくつかの技術的利点がある。第一のメリットは人間が乗車しないため、周囲の人間に危険を与えないことのみに注意を払えば良い点だ。デリバリー用のロボットは、人間を運ぶ自動運転車よりもずっと低い速度で運行可能な点も安全上のメリットといえる。
さらに、配達に特化した自動運転ロボットは小さなパワーで運行可能で、低コストで運用でき、製造費用も抑えられる。現状では、配達用ロボットの大半は店舗や倉庫などの特定の場所を出発地点としているため、オペレーションを単純化でき、複雑なマッピングデータが不要な点も強みといえる。
迅速なデリバリーへの需要が高まるなかで、シンプルな運用が可能なデリバリーロボットの魅力は、中国においても米国においても高まっている。