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世界経済フォーラムは「仕事の未来2018」を発表し、2022年までに世界で7500万もの既存の仕事が失われる一方、1億3300万の新しい仕事が生まれる可能性があると予測。AIやIoTなどのテクノロジーが急速に進歩する第四次産業革命がもたらすポジティブな未来像を提示した。レポートはグローバル企業313社(合計1500万人以上の被雇用者)の人事トップが回答したアンケートによるもので、19年のダボス会議でも取り上げられた。

ただし、新たな雇用創出を実現するには新しいスキルを身につけた労働力が必要になる。未来の仕事に求められるスキルと雇用創出戦略について、レポートの共同執筆者でWEFの新経済社会センター、インクルーシブ経済長を務めるティル・レオポルドに聞いた。


──レポートでは2022年に最も求められるようになるトップ10のスキルを紹介しています。

最も求められるのは、「分析的思考法とイノベーション」「アクティブ・ラーニングとラーニング戦略」「創造性、独自性とイニシアチブ」「テクノロジーデザインとプログラミング」「批判的思考法と分析」「複雑な問題解決」「リーダーシップと社会的影響」「感情知能」「推論、問題解決、理想化」「システム分析、評価」といった能力だ。(編集部注:同レポートによると、反対に需要が減るスキルは「手先の器用さ、我慢強さや正確性」「記憶力や言語・聴覚および空間的能力」「資金や材料管理能力」「人材管理能力」など)

未来で成功するスキルは二つに大別できる。一つは新しいテクノロジーでもベーシックレベルで自由に扱えて、それを絶えず最新の状態にアップデートできる能力。同時に重要になってきているのが、強力な社会的能力、対人コミュニケーション能力などの人間的な力だ。

多くの親は依然として、ハイテクやSTEM分野(科学・技術・工学・数学の教育分野)の能力が重要になると信じているが、技術集約的な仕事は将来的にはますます機械が担うものになっていくので、今後、最も見返りが期待されるのはテクノロジーと人間的な能力を橋渡しする力になる。

WEFの分析によると、このようなテクノロジーと人間的な能力を橋渡しする力を求める傾向は、いま最もニーズが高い仕事(データサイエンティストやソフトウェア開発者、AI専門家など)だけでなく、さまざまな分野や職業全体のレベルで起きている。

例えば、コンピュータ科学者も医療の専門家も、新しい発見を狭い分野の仲間だけでなく、より広い範囲の同業者に説明しないといけない。つまり、優れた社会的スキルがますます求められるようになっている。逆に、マーケティングの専門家、教師、看護師、ソーシャルワーカーなど社会的、人間中心の仕事でも日々の仕事の一部としてテクノロジーを使うことが増えている。

文=成相通子 イラストレーション=Koyoox

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