マウナロア観測所によると、これほどまでに大気中の二酸化炭素濃度が上昇したのは、今から300万年以上前のことという。当時は海水位が現在よりも数メートル高く、南極大陸の一部は森林に覆われていたという。
産業革命以前の地球の二酸化炭素濃度は280ppmだったが、それ以来急速な勢いで濃度は増している。
濃度は2年前から5ppmも上昇しており、科学者らはそのスピードの速さと、集中の度合いに懸念を高めている。二酸化炭素は大気の中に時間をかけて蓄積する性質を持ち、消え去るまでには非常に長い月日を要するからだ。
二酸化炭素のみが温室効果ガスの原因ではないが、人間が大気に放出するガスの中で最も量が多いのが二酸化炭素だ。米国から生み出される温室効果ガスの82%を、二酸化炭素が占めている。
大気中の二酸化炭素濃度が観測史上最大に達したことは、人類の未来に対する重大な警告だ。文明の発達によって、人類は豊かで快適な暮らしを手に入れたが、地球を守るために温室効果ガスの排出を抑えることは必須の課題だ。
「二酸化炭素濃度の上昇率は、これまでの地球温暖化防止対策が全く効果をあげていないことを示している。濃度は上昇を続けており、年を経るごとに状況は悪化している」と、ポツダム気候影響研究所のWolfgang Luchtはメディアの取材に述べた。
国連の世界気象機関(WMO)は今年2月のレポートで、2015年から4年間の世界の気温が観測史上最高だったと述べていた。また、2018年の地球表面の平均気温は産業革命前の水準より1度高かったとされた。