継続にも中止にも様々な意見があり、その背景には家族の多様化が背景にあります。母の日/父の日という呼称を使う限りこの問題は避けられません。それでは父母よりも広義の「保護者」のような別称が使えればいいのですが「保護者の日」だとPTAの集会のように感じます。もう少しイメージを刷新できそうな言葉を使いたいところです。
そのような表現がないか海外の知人数名に聞いたところ、アメリカやフィリピンではペアレンツデーという日があるそうです。ペアレントという言葉は日本語の「親」同様に血縁関係がないケースにも使える言葉だそうです。ただし、ペアレンツデーは母の日/父の日とは異なる記念日で、別称としての表現ではないそうです。
既にある「母の日/父の日」の別称を作る上で、アメリカとオーストラリアの知人が推したのが保護者や守護者を表す「ガーディアン」でした。オーストラリアの知人は「今年からガーディアンの日とも呼んでみる」と何故かはりきっています。
母の日も父の日もガーディアンの日。区別するには5月の(メイ)ガーディアンの日/6月の(ジューン)ガーディアンの日と呼べば良いだろうと。分かりにくいでしょうか? でも家族の多様性を表現するには、対応する言葉も単純なものでは補えません。
現代では保護者が1人の家庭もあれば、父母以外の保護者が2人以上いる家庭もあります。前者の家庭なら1回にまとめてもいいし、2回とも同じ保護者を対象にしてもいいでしょう。場合によっては学校の先生など、保護者に準ずる人を2回目の対象にしても良いかもしれません。後者の家庭も、父母の枠に拘らず保護者を対象にすることができます。
父母に育てられている子どもはもちろん、そのまま父母を対象にできます。父母よりも広い言葉を使えば、いろんな家族のありかたに対応できるのです。
中止の是非に新たな選択肢を
ガーディアンの日という名前を作ったからといって、母の日/父の日を否定するつもりはありません。一部の学校が中止にした母の日/父の日のイベントをガーディアンの日として復活させるべきとも思っていません。私はあらゆる環境の子どもたちが少しでも前向きに参加しやすい呼び方を提案しているに過ぎません。母の日/父の日を今まで通り過ごしたい人を批判する気はありませんし、言葉狩りの具になることも望んでいません。
でも不本意にイベントの中止や継続を選ぶなら、より多くの子どもたちが前向きに参加しうる呼称の利用も検討して欲しいのです。
ある人にとっては母の日/父の日、ある人にとってはガーディアンの日、ある人にとっては何でもない日曜日。多様な家族がいる時代、この日の呼び方だって多様でいいでしょう。
令和が迎える初めての5月第2日曜日。あなたはこの日を何と呼びますか?