ビジネス

2019.04.26 07:00

D2Cの勃興、プロパー消化率の低さ──シタテル河野が考える「アパレル業界の希望と課題」

シタテル代表取締役/CEOの河野秀和



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「シンプルに衣服を買いたいひとが買い、その分をつくる。同時に在庫リスクなどを気にすることなく、良い衣服を“適正な価格”で販売できるようにしたい──そう思った立ち上げたのが「SPEC」でした。「SPEC」は受注生産で販売ができるため、在庫リスクを抱えることもないので、導入企業はコアなファン向けの商品開発・販売に挑戦できることに加え、テストマーケティングとしても活用できます。

「SPEC」を活用することでは、実際に欲しい人がどれくらいいるのか事前に把握できるため、日の目を見なかったデザインも商品化することができる。アパレル業界にとって健全な仕組みになると思います。

サスティナブルという言葉が先行するのではなく、手がけていることが結果的にサスティナブルになっていることが大事。過剰に正義を掲げず、産業を最適な状態にしていく。日本を守る、工場を守ると語る人が多いんですけど、我々はそれを純粋にビジネスやプロダクトで実現していきたいです。
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将来的な目標は「衣服のAWS」になること

──2019年は海外展開にも注力されていくと仰られていましたが、どのようなシナリオを描いていますか?

基本的には3つのことを考えています。まずひとつ目は日本のブランドが海外展開する際のインフラとして使ってもらうということ。ふたつ目は日本のブランドと海外の工場をマッチングすること。プロダクトを通して海外の工場とは取引を開始していますが、大手ファッションブランドの生産地は常に変わっていて、海外の工場も閑散期が生まれている。必要に応じて日本のブランドの生産ラインとして海外の工場を使ってほしいです。

あとは海外のブランドと海外の工場が国内同士でマッチングし機能するということです。 アメリカのブランドや企業も理由がなければ、なるべく自国で生産したいと思っているので、そのニーズに応えられるようにしたいです。この3つを順序立てて展開していこうと思っています。

私が描くsitateruの最終的なイメージは「衣服生産のAWS」です。もっとシステムの自由度と精度を高めていき、インフラサービスとして使いたい人に解放していく。従量課金制を用いて、なんらかの衣服を5000枚つくりたい人、50枚つくりたい人それぞれで発生する料金も異なるようにし、誰もがクラウド上に工場が持てる状況を創出していきたいと思っています。

創業から、まだ5年。これから第二フェーズに入り更にシフトアップしていきます。

写真=小田駿一

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