厳しい時期は誰しも必ず訪れる。荒波を経験しない人は単に何もしていないだけだ。大きな目標に取り組む人は、失敗する可能性や危険があふれる道を歩んでいる。失敗は、他人に気づかれても気づかれなくても常に心が痛むものだ。
そのように心が痛むときには、どんなに勇敢で熱意がある人でも諦めることを考えてしまう。心が傷つけば、精神的動揺を経験する。レジリエンスは、私たちが再び安定し、円滑な空気の流れを見つけて飛行を続けるための道具だ。レジリエンスがなければ、私たちは失敗をするたびにトラックの途中で立ち止まり死んでしまう。
私はアンジェラ・ダックワースの『やり抜く力 GRIT(グリット)──人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』を読み、とても気に入った。彼女は経歴や教育、家族、育て方にかかわらず、人生で成功するかどうかを決める唯一の要素は最後までやり抜く力だと強く主張した。
レジリエンスは最後までやり抜くために重要な要素で、セルフトーク(独り言)にも現れる。私たちが失敗するとき、周囲にはそのことを気の毒に思う人が必ずいて、現在の目標を諦めてより簡単でリスクの少ない目標に変えることを善意から提案するかもしれない。私たちはそのときこそ、自身を鼓舞するセルフトークを始めなければならない。
私たちは失敗から立ち上がるときに、自分がこの目標を達成するのに適した人物であること、あるいはそれができる唯一の人物であることを改めて思い出し、自分をリセットするための言葉を言い聞かせることができる。
レジリエンスのもう一つの鍵は、少なくとももう一人、あなたが目標達成できることを信じてくれる人を探すことだ。本当の意味であなたを信頼してくれて、高い目標を伝えたとしても呆れた顔などしない人だ。もちろんこうした人は正直な意見を述べるだろうが、真の目的はあなたが素晴らしいこと、あなたにその業務が遂行できることを伝えることだ。私は長年の間、こうした友人を多く持っていた。
私は講演者としてのキャリアを始めたばかりの頃、米誌インク(Inc.)の大きなイベントで講演した。出席者はイベント後、全ての講演者を順位付けするように求められ、私は最下位だった。