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2019.03.18 06:30

「IDEOのような国産デザイン組織をつくりたい」──この10年でデザイン業界に起きた変化とは?

DONGURI CEO ミナベトモミ


海外でも戦える、IDEOのような「国産デザイン組織」をつくる
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その10年の間で、デザインの主軸がデジタルプロダクトに移り、価値観の変化が起きた。今まではホームラン狙いのアイデアドリブンな成果を複数手がけることが賞賛される機会が多かったが、プロダクトにおいてはアイデアドリブンで勝負していくことは難しい。

必要最低限の機能だけを含んだMVP(Minimum Viable Product)を短期間で開発し、顧客からのフィードバックをもとに改善。ユーザードリブンの上で顧客体験を高めていくことが重要になる。

アジャイル開発に軸を移し、チーム内でのナレッジを高速で溜め、改善速度をシステマティックに上げていくことが必須の時代となったことで、「組織システム」「組織資産」「組織文化」に取り組み続けてきたDONGURIへの注目が高まり、手がける案件の数が増えていった。
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今回、リニューアルに踏み切ったのはさまざまな案件に対応できる組織の基盤が出来上がったとともに、周囲に出しても恥ずかしくない実績が積み上がってきたからだという。

「PRドリブンで評価されることは嫌なので、自分達の中身ができてから少しづつ発信をしていきたいと考えていました。今は自分たちに自信がついてきたタイミングだったということですね」(ミナベ)


スタートアップの経営を経て、DONGURIに入社してきた熊本ひとみ。現在はデザイン戦略コンサルタント/マネージャーを務める。

現在、DONGURIには戦略コンサルやスタートアップ経営経験者が集い、複数のコミュニティを組成。経営企画、組織変革、業務変革、UXリサーチやリーン手法を用いた事業開発、キャンペーン企画、イベント企画などを手がけている。

今後、DONGURIがつくりあげたいのは、IDEOのような「国産デザイン組織」だ。日本国内において、IDEOはよく「デザイン思考」というプロダクト開発的な側面で語られることが多いが、IDEOがもっとも優れているのは「デザイン組織」を構築したことにある。

 
リニューアルしたコーポレートサイト。皆で組織づくりに取り組む

「類似的な職種でコミュニティをつくるのはやりやすいのですが、IDEOではありとあらゆる職種が存在して共創しあい、あらゆるプロジェクトを推進することでマッキンゼー、ボスコンなどとも渡り合うことができている。類似性が低い職種同士でコミュニティをつくるのは難易度が高く。その裏側には優れた組織戦略、組織構造、組織オペレーションが存在していると思っています。

その仕組みを、そのまま日本で展開しても文化が異なる為上手くいきません。日本文化に即した独自の組織を構築することで、海外の一流ファームとも戦える国産デザインファームをつくっていきたいです」(ミナベ)

文=新國翔大 写真=小田駿一 写真提供=DONGURI

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