ビジネス

2019.03.11 08:00

日本人夫婦がバリ島から発信する「サステナブル経営」へのメッセージ


ある北欧の大手家具メーカーですが、彼らは気候変動の現状を積極的に伝え、国連カンファレンスにも必ず出席するなど、いまやソーシャル化のロールモデル的存在となっています。しかし、彼らにはそうなるに至った原体験があるのです。

2013年に発生したスーパーハリケーンで大打撃を受け、店舗を多数閉店せざるを得なくなり、膨大な損失を経験したのです。それを機に、気候変動の問題に取り組まないと、自分たちの首を絞めることになると気がついた。これからは企業が自らを守るために環境を意識して、地球を大切にすることへの必要性を感じるようになっていくのだと思います。

知宏 : 実は先日、サステナブル経営に関するプロジェクト「Operation Green(オペレーショングリーン)」をリリースしました。100年先をつくるサステナブルな企業を増やすために、オフィスのエコ施策に関する情報や事例を企業担当者が使いやすいかたちで整理し、サステナブル経営に本気な企業同士が学び合えるプラットフォームを築いています。

「変えたい」「変わりたい」と思う企業が増えているなか、僕たちはその思いをアクションに繋げる「触媒」となりたいのです。



── SDGs(持続可能な開発目標)を謳う企業も増えてきていますね。

知宏 : SDGsが注目されているということは、すなわち自らの事業が生み出す社会的インパクトを考慮する企業が増えたということです。これは確実に良い流れだと思います。さらにこれからは、特定の国や企業が頑張るのでなく、コレクティブインパクト(集合的効果)をもって、SDGsに臨むことが求められると思います。

大きな課題に対して解決すべき事項が山のようにありますが、どんなに小さなことでも誰かがやらない限り始まらないし、積み上がりませんから。


濱川明日香◎Earth Company 代表理事。ボストン大学卒業後、プライスウォーターハウスクーパーズに勤務。ハワイ大学大学院にて太平洋島嶼国における気候変動研究で修士号取得。2014年、夫の知宏と一般社団法人Earth Compnayを設立。同年、ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion」を受賞。2017年「Asia 21 Young Leaders」に選出。2018年、Newsweek誌で「世界で活躍する日本女性」に選出される。

濱川知宏◎Earth Company マネージング・ディレクター。ハーバード大学卒業後、NGOスタッフとしてチベット高原で働いたのち、ハーバード大学ケネディ行政大学院で修士号取得。ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレン、英国大手財団CIFFにて、子供の保護・教育に重点を置いたプロジェクトの企画推進・評価等を行う。現在はNPO法人コペルニクの最高戦略責任者を兼務。2014年、妻の明日香と共にダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion」を受賞。

連載 : #醸し人
過去記事はこちら>>

監修=谷本有香 インタビュー=三宅紘一郎 校正=山花新菜 撮影=藤井さおり 取材協力=Nagatacho GRID

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事