航空券・ホテル・レンタカーの比較検索サービスを提供するスカイスキャナージャパンが今月発表した「2019年春節 訪日旅行(インバウンド)で人気急上昇の旅行先トップ5」でも、最も伸び率が高かった熊本県に続いたのが愛媛県(第2位)、香川県(第3位)だった。春節(旧正月)期間中の、アジアの8エリア発、日本行き往復航空券の予約状況を昨年と比較した伸び率を比較したランキングだ。
SETOUCHIが世界から熱視線を浴びるのには理由がある。このGWは10連休。国内旅行先としても独特の魅力がある。SETOUCHIの楽しみ方をご紹介したい。
1. アートを巡る
今年は瀬戸内の島々がアートで彩られ、世界中から観光客が訪れる3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭」が開かれる年だ。開催日程は「ふれあう春」(4月26日〜5月26日)、「あつまる夏」(7月19日〜8月25日)、「ひろがる秋」(9月28日〜11月4日)と長期にわたる。
会期中でなくても、島々のアート作品をめぐる旅は十分成立する。直島では言わずと知れた草間彌生のカボチャのオブジェに出会うことができ、安藤忠雄建築の地中美術館ではモネの「睡蓮」や、「光の芸術家」と呼ばれるジェームズ・タレルの作品をじっくり鑑賞できる。
李禹煥(リ・ウーファン)美術館やベネッセハウスを巡り、古い家屋をアーティストの手で作品として蘇らせた「家プロジェクト」を回れば、あっという間に1日が終わる。港の近くにはアーティストの大竹伸朗が手がける、直島銭湯「I♥湯」(アイラブゆ)という実際に入浴できるエキサイティングな美術施設もある。
また、「豊島美術館」がある豊島もアートの島として有名だ。男木島の港に建てられたジャウメ・プレンサのアート作品「男木島の魂」は交流館になっており、天井の様々な文字が印象的である。
2. 「島時間」を味わう
瀬戸内の島々は、独特の蒼く凪いだ瀬戸内海に「浮かぶ」という表現がしっくりくる。淡路島や小豆島の比較的大きな島から小さな島まで、それぞれに独特の島時間が流れる。
遮るもののない海岸で朝日や夕日、飛び交うカモメを眺めるもよし、島内を歩き回るもよし。女木島や佐柳島など、「猫島」と呼ばれるほど猫が多い島もあり、猫と戯れるもありだ。
3. 泊まる
夕陽が落ちるのを見たら、そのまま島に泊まって休みたい。例えば小豆島にある、全8室、源泉掛け流し温泉付きの「島宿真里」でくつろぐ。小豆島産100%のオリーブオイルを使ったオリジナルエステも魅力だ。直島の「ベネッセハウス」に泊まれば、宿泊者限定の作品を鑑賞できる。民宿に泊まるという選択肢もある。都会の喧騒を忘れる、ゆったりした夜を過ごすことができる。
とっておきの旅を楽しむなら、2017年に就航した客船guntû(ガンツウ)をおすすめしたい。Forbes.comをはじめ海外メディアでも多数紹介されている、「せとうちに浮かぶ小さな宿」をコンセプトに誕生したラグジュアリー船だ。広島県尾道市にあるベラビスタマリーナを発着地とし、瀬戸内海沿岸を周遊する。設計は建築家の堀部安嗣氏が手がけた。
photo-Tetsuya Ito © guntû
メインダイニングは東京原宿の老舗割烹「重よし」、寿司は兵庫県「淡路島 亙(のぶ)」、和菓子は奈良県「樫舎(かしや)」が監修。
photo-Tetsuya Ito © guntû
客室は全19室。室料は1室2人利用で1泊40万円~100万円。瀬戸内海上で、一生モノの体験ができそうだ。
photo-Tetsuya Ito © guntû
4. フェリーを楽しむ
ガンツウには乗れなくても、港から、フェリーに揺られながら島へ行く。それだけでも十分、非日常が味わえる。芸術祭の会期中、島に向かうフェリーは観光客でいっぱいになり、積み残しが出るほどだ。潮風に吹かれながらデッキに腰掛けると、キラキラと蒼い海に、お椀をひっくり返したような丸い緑の島々が迫る。
フェリーにバイクや自転車を載せて島に行くのもオススメしたい。徒歩やバスで回りきれない道も網羅でき、自分だけのルートを開拓できるのだ。
5. 四国に上陸する
瀬戸内を訪ねるなら、四国に上陸しないと勿体ない。瀬戸内国際芸術祭では島々だけでなく、高松港でもアート作品が楽しめる予定だ。 高松港周辺でオススメしたいのが「北浜alley(アリー)」。昔の倉庫をリノベーションした商業施設で、カフェや雑貨店が魅力。サンポート高松の「高松シンボルタワー」からは、港や街並みが見渡せる。
瀬戸内の魚、讃岐うどん、みかんなどの柑橘類、日本酒に焼酎。美術館巡り、金刀比羅宮、松山城、道後温泉。せっかくなら、四国八十八か所の霊場も訪ねたい。身も心も充実した旅になりそうだ。