ビジネス

2019.02.28

アートからデータへの転換。スマートフットウェア開発のno new folk studio、2.5億円の資金調達

スマートフットウェア「ORPHE TRACK」

最近、こんなCMを目にする機会がないだろうか?

「健康状態によって保険料割引」

ブームから文化に定着したランニング、多くの女性の「趣味」となったヨガに代表されるように、昨今、健康増進の流れが加速している。

著者も健康の為に10年以上、ランニングを欠かさず続けているのだが、時に“怪我”と付き合うことになる。怪我をしないフォームの解析はもちろん、普段の歩き方に癖はないのか、バランスはいいのかなど、自身のデータが欲しいと時折思う。

ただ、現状、計測できるのは歩いた、走った距離のみ。フォームなどの解析は専門の機関に行かなければいけない。

「動く、そして見直す」

次のステップにきている健康増進の流れのなかで、今回、誰でも簡単に高度な行動解析を可能にするスマートフットウェアプラットフォームからの資金調達のニュースが飛び込んできた。

歩行・走行データの取得からスポーツ、健康、保険分野との協業が進む

それはスマートフットウェアORPHEシリーズを開発するno new folk studio。

2月27日、同社は第三者割当増資を実施し、総額2億5000万円のシリーズAラウンドの資金調達を完了したことを明かした。引受先は、MTG Ventures、三菱UFJ信託銀行。既存株主であるDarma Tech Labs、Mistletoeも追加投資を行ない、同社の累計資金調達額は約3億5000万円となった。

今回調達した資金は、2019年春リリース予定の、これまでになかったデータを解析するスマートフットウェアプラットフォームORPHE TRACKの開発、人材採用に充てられる予定だという。

このORPHE TRACKは、シューズのソール部分にセンサーモジュール「ORPHE CORE」をインサートすることで、これまで専門設備がなければ取得困難だった詳細な行動データを誰でも取得、活用可能にするスマートフットウェアプラットフォームだ。

今春、ORPHE TRACKをランナー向けに活用し、今までのプロダクトでは取得できなかった詳細なランニングデータを取得し、ランニングフォームの改善に繋げられるプロダクトを一般向けに発売開始するという。

そして本文の冒頭に書いた通り、今後はプラットフォームの活用によるデータ蓄積から、健康保険や情報銀行といった他サービスとの連携、ヘルスケア向けのプロダクト展開をしていくという。
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文=後藤 亮輔 写真提供=no new folk studio

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