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フリーライター/エディター

左から、ビットキャッシュの小澤脩人、起業家の荒木稜介、アナリストの但木一真、弁護士の松本祐輝

この日の取材の顔ぶれは、まさに異色だった。アナリスト、起業家、弁護士、プランナー……。この4人が1つの「組織」の運営者なのだ。

組織の名前は、「Esportsの会」。22年アジアオリンピックでのメダル種目に採用、流行語にも選ばれるなど、昨年様々な場面で話題になった「eスポーツ」のコミュニティだ。

「Esportsの会」はツイッター上での呼びかけによって開設。2カ月に満たない現在、メンバー数は既に5000を超える。特に開設時のツイッターを起点とした議論は凄まじい勢いで拡大し、すぐさま輪が広がっていた。

なぜいまeスポーツはそこまで熱量を生むのか? 2018年は「eスポーツ元年」と呼ばれ、企業参入のニュースが相次いだ。Forbes JAPANでは関連する翻訳記事を多数公開したが、それらへの反応にも熱量を感じた。

一方で、筆者もビデオゲームをプレイし、たまに関連動画を視聴するが、なぜ「eスポーツ業界」が一気に熱を帯びたのかは、あまりわからないのだ。


30以上のチャンネルが存在。ゲームタイトルや地域、ビジネス分野のチャンネルもある。

「Esportsの会」は、ゲーマーがよく使用するSkypeのようなチャットサービス「Discord」内のコミュニティとして立ち上がっている。サーバー内では、チームのスタッフなどの<募集>や大会開催などの<告知>や、「ノンゲーマーの視聴者を増やす方法」「新しいサービスを考えよう」などeスポーツを拡大するための<議論>チャンネルなどが設置されている。

驚くのは、大きなコミュニティでありながら、多くの人が実際に発言していることだ。グループへの参加資格は特になく、プロゲーマーや業界関係者から普通の学生まで、「eスポーツ」に興味がある人なら誰もが参加。知識の有無や立場に関係なく、自由に発言しているのだ。

では、そんな「Esportsの会」はどうやって出来上がったのか。また、運営者から見たeスポーツ業界の現在地とは。但木一真、荒木稜介、松本祐輝、小澤脩人に話を聞いた。


──「Esportsの会」発足時の盛り上がりは、ものすごかったですね。また、運営メンバーもみなさんかなり異色です。まず、自己紹介をお願いします。


アナリストの但木一真

但木:ゲーム雑誌『週刊ファミ通』などを発行するGzブレインに務め、ゲーム / eスポーツ業界アナリストとして活動している但木といいます。

荒木:Crosshare, Inc.というスタートアップを起業し、プレイヤー向けのサービスを開発している荒木稜介です。いま19歳で、高校2年生まで住んでいたシアトルのように日本のeスポーツを盛り上げるため、起業に踏み切りました。

松本:弁護士の松本祐輝です。主に法人をクライアントとしてM&AやIT・テック分野に注力しており、eスポーツもその注力分野の一つです。

最近は企業からeスポーツ参入に関する相談を受けることが多い一方で、個別の方からの相談も増えつつあったので、大きなインフラを通じて著作権や法規制の考え方や、契約書などのポイントを発信する機会が欲しいと思い、「Esportsの会」に参加しました。

小澤:ビットキャッシュでeスポーツメディア「SHIBUYA GAME」の運営や、イベントなどをプロデュースしている小澤脩人です。前職時代から「Overwatch」の社会人チームに所属しており、2018年7月にビットキャッシュに移りました。

──アナリスト、19歳の起業家、弁護士、プランナーとすごいメンバーですね。どうしてこうしたメンバーが揃ったのでしょうか。

但木:実は、かなり偶然だったんですよ。僕はツイッターでeスポーツについて頻繁に話していたのですが、あまりに議論が多くてツイッターがチャット化していて(笑)。そんなときに対話相手の一人からDiscordでサーバーをつくるよう提案いただき、荒木さんにサーバーを立ててもらいました。

初めは荒木さんと2人で運営するつもりでしたが、1日経たないうちにメンバーが1000人を上回ってしまって(笑)。急遽、翌日別件で会うことになっていた松本と小澤に加入を頼みました。蓋を開けてみれば、それぞれが異なる領域に明るいメンバー構成になっていましたね。

文=野口直希 写真=小田駿一

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