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ウォーレン・バフェット(Photo by Daniel Zuchnik/WireImage)

良くないアイデアでも、影響力のある人々の支持を得れば強力なものになる──。米食品大手クラフト・ハインツの大株主が、著名投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイであることについて考えたとき、そんな言葉が思い浮かんだ。

バークシャーとブラジルの投資会社3Gキャピタルが大株主であるクラフト・ハインツの株価は2月22日、前日比で約28%下落。これによってバークシャーは同日、およそ42億ドル(約4647億円)を失った。

「オマハの賢人」は、この事態を予期していなかったのだろうか。米ウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、バフェットはバークシャーの昨年の年次株主総会で、「私たちは彼ら(3G)のパートナーであり、そうであることをうれしく思っている」と述べていた。

3Gが進めたコスト削減

クラフト・ハインツは、「ゼロベース予算(ZBB)」というひどいアイデアを採用してきた。ZBBはジミー・カーター元大統領が行政に取り入れたことで広く知られるようになったもので、組織内の各部門が毎年、前年の実績に関わらずゼロから新たに計画を策定、それらに予算を配分する手法だ。予算はトップの判断で、削減することができる。

WSJは以前、ZBBの「流行」について、次のように報じていた。

「3Gキャピタルは10年ほど前、ハインツやバーガー・キングといった米国の伝統的な食品会社を数十億ドルで買収し、ビジネス界に突如として姿を現した。その後、高効率の“生産機械”をつくり出すため、大規模なレイオフを行うなど容赦のないコストカットを実施した」

「投資家たち…バフェットや別のヘッジファンドを率いるビル・アックマンらは、このブラジルの投資会社の優れた能力を称賛。メディアもまた、利益率の改善のみに集中することができる同社の能力を褒めたたえた」

ただし、ZBBには問題がある。それは何だろうか?流行したその他の経営手法(シックス・シグマやリエンジニアリングなど)と同様、企業が内部で課されたコスト削減目標の達成ばかりに集中するようになることだ。

社内の全ての部門が、どれだけコストを削減できるかということばかりを競い合うようになり、ボーナスも目標達成の程度に左右されるようになる。

顧客に製品の選択肢がなく、さらにその製品の需要がとどまることなく増え続けるという業界なら、この手法は間違いなくうまくいくだろう。だが、食品業界はそれに該当しない。クラフト・ハインツはコスト削減ばかりを重視した結果、消費者の食習慣の変化を見逃してしまった。それが、同社製品の需要の低下につながったのだ。

編集=木内涼子

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