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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

グランツーリスモの取材で訪れたモナコで念願の「ジャガーEタイプ」に試乗

巨匠エンツォ・フェラーリが言った。「ジャガーEタイプは間違いなく世界で一番美しいクルマです」と。

1961年にジュネーブ・モーターショーで発表されたとき、まるで近未来からポンとタイムスリップしてきたかのような、宇宙船的な存在だった。垂涎の曲線、長いボンネット、レースカー並みのエンジンに、誰もがアッと息を飲む。史上一の美しさは否定できないだろう。

昨年、英国のハリー王子が結婚式の直後に妻となったメーガン妃を、紳士的にオープンカーに乗せたシーンは記憶に新しい。ただそれは電動化したEタイプで、現実的には、伝説のEタイプを電気自動車に変えることには賛否両論だけどね。


(c)Getty Images

さて、何でEタイプの話をしているかというと、実は昨年モナコで乗ってきたのだ。僕はティーンエージャーの頃、勉強部屋の壁にEタイプのポスターを貼っていた。チャーリーズ・エンジェルスのファラ・フォーセットさんのポスターの隣りにね。あの時からずっと憧れてきた名車に乗れたので、今回はその試乗記をお伝えしたい。

遡ること11月、別の取材で訪れていたモナコで、幸いにも市試乗するチャンスがやってきた。しかも、僕がハンドルを握ったバージョンはなんと、コンバーチブルだ。

ホテルの駐車場に停めてあったEタイプを最初に見た時、すぐに乗らずに、ずっとその美術品並みの美しさを眺めていたかった。日本の懐石料理を、まずその美しいプレゼンテーションを目で楽しんでから口にするように、Eタイプの曲線を鑑賞してから、運転席に座った。



座ったと言っても、58年前のコクピットは不思議なほど狭く、僕は柔軟性の足りない189cmの体を捻りながら、ゆっくりとお尻をシートにスライドさせ、何とか入ることができたという感じだ。

このチェリーレッド色の本革シートとインテリアは何とも色っぽい。そして、なんとも言えないダッシュボード。室内の美しさは外観のスタイリングに負けてない。ウッドのステアリングホイールに、アナログのゲージ、カチッと押せるスイッチ類。それらのどの感触もたまらない。



このクルマは完全にフルレストアされているので、「長距離のドライブでも、信頼性抜群」と説明された。ひと安心だ。当時は、メカニカルトラブルで結構故障したからね。さあ、アート鑑賞の時間は終わった。いよいよ試乗タイムだ。

編集=フォーブスジャパン編集部

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